シンガポールの民間航空庁(CAAS)は12日、都市部の環境におけるドローン(無人航空機)の安全基準や規制を策定するため、欧州航空安全機関(EASA)、欧州航空機大手のエアバス社と提携していくことを発表した。
三者は提携の内容を定めた「プロジェクト・ドキュメント」に署名した。同文書は、三者間で情報や技術的専門性などを交換・共有する枠組みを提供しており、都市部でドローンを導入するに当たり、安全基準や規制事項の策定の他、運用面・技術面での評価などを進めていくためのものである。
CAASはまた、EASAやエアバスと合同で、教育的なワークショップやセミナーなどのドローンをテーマにした各種活動の開催に取り組むこととしている。...
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三者は提携の内容を定めた「プロジェクト・ドキュメント」に署名した。同文書は、三者間で情報や技術的専門性などを交換・共有する枠組みを提供しており、都市部でドローンを導入するに当たり、安全基準や規制事項の策定の他、運用面・技術面での評価などを進めていくためのものである。
CAASはまた、EASAやエアバスと合同で、教育的なワークショップやセミナーなどのドローンをテーマにした各種活動の開催に取り組むこととしている。
シンガポールは、エアバスの小荷物輸送用ドローン「スカイウェイズ」を利用した都市部での配送サービスを実験する事業である「スカイウェイズ実験プロジェクト」に取り組んでおり、配送所から家庭までの最後の配達工程である「ラストマイル」の自動配送システムを開発しているが、現在、シンガポール国立大学で実証実験が行われている。同システムの開発のための技術的な評価方法も検討していく。
エアバスは6月、ノルウェーの海運サービス大手ウィルヘルムセン・シップス・サービスと契約を締結し、埠頭と洋上の船舶との間で荷物を配送する、海運業界向け輸送サービスの実証実験を今年の第3四半期から開始することを発表したが、これもスカイウェイズ実験プロジェクトの一環であるという。
CAASの責任者であるケビン・シャム氏は、「シンガポールのような都市部の環境においては、航空機や公衆の安全を念頭に置いた上で、無人航空機の多くの有用な利用方法のために、運用条件をきちんと定めていきたいと考えているが、そうした中でこの三者間の提携はタイムリーなものだ。」と説明している。
エアバス社のエンジニアリング部門を統括するジャン=ブリス・デュモン執行副社長は、「スカイウェイズは、都市部で航空貨物を配送する能力を証明した。CAASとEASAの強力な支援と当社のスカイウェイズでの経験により、安全で信頼性の高い都市型の航空配送が、まもなく現実のものとなることに我々は自信を持っている。」と述べた。
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