ニュージーランドのアーダーン首相(37歳)が6月21日に出産し、6週間産休を取ることを発表した。その間、ピーターズ副首相兼外相が首相代行を務めるという。
そもそもニュージーランドは、英領時代の1893年、世界で初めて女性の参政権を認めている。
更に、2017年初め、豪州やアイスランドに先を越されてしまったものの、子連れの議会出席(授乳も含む)を認める規制改正をしている。
同首相は、同国の女性首相としても3代目となることもあり、国内は挙って祝福ムードであり、産休取得を含めて文句を言う人は見当たらないと現地メディアは報道している。...
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ニュージーランドのアーダーン首相(37歳)が6月21日に出産し、6週間産休を取ることを発表した。その間、ピーターズ副首相兼外相が首相代行を務めるという。
そもそもニュージーランドは、英領時代の1893年、世界で初めて女性の参政権を認めている。
更に、2017年初め、豪州やアイスランドに先を越されてしまったものの、子連れの議会出席(授乳も含む)を認める規制改正をしている。
同首相は、同国の女性首相としても3代目となることもあり、国内は挙って祝福ムードであり、産休取得を含めて文句を言う人は見当たらないと現地メディアは報道している。
翻って日本であるが、政権与党の中で、女性首相を目指す人がいない訳ではないが、これまでの与党総裁選で当選した女性議員はおらず、未だに女性首相の誕生の可能性は高いとは言えない。
更に厳しいデータを挙げれば、国連の各国女性議員の比率調査によると、世界193ヵ国の中で、日本は165位、かつ、先進諸国の中で最低の位置にあるという(衆議院議員の女性比率9%、参議院議員同21%、地方議会平均同11%)。
もちろん、日本とニュージーランドの国力の差(人口、経済規模等)、地政学的事情等から、単純に前者が後者より劣っているとは言えないが、次のようなニュースに接すると、いささか考えさせられることではある。
・2017年11月、熊本市議会の女性議員が乳児を連れて市議会に出席したところ、「議会参加は議員及び市職員に限る」とする規程より、乳児の参加は認められなかった(注)。
・2018年3月、東武鉄道が千葉県北西部を走行する東部野田線等の電車内で、「ベビーカーをご利用になるお客さまは周りのお客さまに配慮し、十分ご注意ください」と掲示し、ツイッター上で大論争(配慮すべきは周囲の乗客か、あるいは横柄な態度を取る母親の方か)が起こった。
(注)衆・参両院とも、同様な規程が設けられているが、事務局によると、これまで乳幼児を連れて議会出席を求める女性議員がいなかったとしながらも、同様の申請があればそのときに協議するとのコメント。
日本において、女性の参政権が認められたのは、米国・カナダ(1920年)、英国(1928年)より少々遅れたとは言え、フランス・イタリア等と同じ1945年で、他先進国に大きく後れを取った訳ではない。
しかし、残念ながら、上記国連データに表れているとおり、七十有余年の間に他先進国と差がついてしまったのは紛れもない事実である。
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