【Globali】
昨年生み出された富の82%を世界の最も豊かな1%が独占(2018/01/22)
国際貧困支援NGO「オックスファム」の報告によると、昨年世界で生み出された富の82%は世界で最も裕福な1%の手に渡り、反面、世界の最貧困層の半分は、何の富の増加もなかった。
「経済エリート」である最裕福層の富は、2016年3月から2017年3月の間をピークとし、2010年より、年平均13%増加しており、財産が10億ドルを超える新規億万長者はピーク時の一年間は平均して2日に1人増えた。一方で、「一般的な労働者の賃金収入は、毎年平均して2%しか」増加していない。超裕福層とその他世界の人々との格差は年々拡大しており、オックスファムは原因として、脱税、企業の政策への影響、労働者の権利の侵食、コスト削減を上げている。...
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「経済エリート」である最裕福層の富は、2016年3月から2017年3月の間をピークとし、2010年より、年平均13%増加しており、財産が10億ドルを超える新規億万長者はピーク時の一年間は平均して2日に1人増えた。一方で、「一般的な労働者の賃金収入は、毎年平均して2%しか」増加していない。超裕福層とその他世界の人々との格差は年々拡大しており、オックスファムは原因として、脱税、企業の政策への影響、労働者の権利の侵食、コスト削減を上げている。
また男女間の格差も目立つ。オックスファムによると、女性労働者は「ピラミッドの底辺に」おり、「世界各地で、女性は男性よりも収入が少なく、最低賃金の職場や、最も不安定な職場で女性が占める割合が多く」また、「10人の新しい億万長者のうち9人は男性だ」という。
ウィニー・ビヤニマ事務局長は、「億万長者の増加は、経済的な繁栄の表れではなく、破綻した経済システムの症状」であり、「私たちが日々着る洋服を作り、使う携帯を組み立て、食べるものを作る人たちは、安価で安定した消費財を確保するため、企業や裕福な投資家の利益増大のため、搾取されている」と述べている。
オックスファムは、23日からダボスで開かれる世界経済フォーラム(WEF)の開幕前夜に、「資産ではなく労働に報酬を(Reward Work, Not Wealth)」と題したこの報告書を発表し、豊かな少数のための経済ではなく、全ての人のための経済が推し進められるようにダボスに参加するリーダー達に呼び掛けている。そして、「株主への配当や経営層への報酬を制限する」こと、「ジェンダーによる賃金格差をなくし、女性労働者の権利を保護するための施策を導入する」こと、「富裕層が相応の税金をきちんと納税するための施策を導入する」ことなどを提言している。
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