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メキシコで世界最大規模の水中洞窟を確認、古代マヤ文明のさらなる解明につながるか(2018/01/19)
メキシコのユカタン半島の地下にある2つの水中洞窟が、調査により連続した1つの洞窟であることが最近判明し、347キロにも及ぶ世界最大級の長さを持つものであることが明らかとなった。古代マヤ文明は、洞窟を宗教的な儀式の場としていたことから、同文明のさらなる解明につながる可能性があるとして期待されている。
メキシコ東部で、ダイバーたちが2つの地下の水中洞窟の接続を確認し、世界で最長の水中洞窟であることを示した。この発見は古代マヤ文明の研究に、新たな光を投げかける可能性がある。ユカタン半島の地下水域の調査と保存に携わるプロジェクトチーム、「Gran Acuifero Maya(GAM)」は、迷路のような地下の水路を数カ月にわたり探究した結果、約347キロの洞窟が確認されたと発表した。
同チームは、これまで約263キロと計測されていた「サク・アクトゥン」として知られる地下洞窟が、約83キロの「ドス・オホス」の洞窟と内部でつながっていることを発見したと、声明で述べている。...
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メキシコ東部で、ダイバーたちが2つの地下の水中洞窟の接続を確認し、世界で最長の水中洞窟であることを示した。この発見は古代マヤ文明の研究に、新たな光を投げかける可能性がある。ユカタン半島の地下水域の調査と保存に携わるプロジェクトチーム、「Gran Acuifero Maya(GAM)」は、迷路のような地下の水路を数カ月にわたり探究した結果、約347キロの洞窟が確認されたと発表した。
同チームは、これまで約263キロと計測されていた「サク・アクトゥン」として知られる地下洞窟が、約83キロの「ドス・オホス」の洞窟と内部でつながっていることを発見したと、声明で述べている。洞窟がつながっている場合には、長い方が短い方を吸収するため、今後この長い洞窟は「サク・アクトゥン」の名で呼ばれることになる。
GAMを率いる考古学者のギレルモ・デアンダ氏は、この驚くべき発見は、スペインの征服前、古代マヤ文明に支配されていた同地域の豊かな文化の発達を理解する一助となるだろうと述べている。デアンダ氏はメディアに対し、「今回の発見によって我々は、宗教的儀式や巡礼地、究極的には我々が知るスペイン統治前の大規模な入植がどのように実現していったのかを、これまでより遥かに明確に理解することができる。」と語った。
同チームは今後、洞窟内の水質を分析し、生物学的な多様性を調べるとともに、洞窟の内部の図面の作成を継続する。また、サク・アクトゥンは、さらに3つの水中洞窟ともつながっている可能性があり、引き続き探索を行う。
ユカタン半島にはマヤ文明の遺跡が点在するが、その都市は「セノーテ」として知られる地下の泉につながった広大な水路のネットワークを利用して発達していた。セノーテの中には、マヤ文明の特別な宗教的意義を持っていた神秘の泉もある。マヤ人は洞窟を神と交信する場所と考えていたので、サク・アクトゥンの内部の調査が、より重大な発見に繋がるかも知れない。
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