トランプ大統領は、世界の政府要人やグローバル企業の経営者、著名な銀行家や投資家、学者らが一堂に会する世界経済フォーラムの年次総会、いわゆる「ダボス会議」に出席する。今年の会議は1月23~26日に開催されるが、現職米大統領の出席は、2000年のビル・クリントン大統領以来18年ぶりとなる。昨年はバイデン副大統領が出席した。
ホワイトハウスのサラ・サンダース報道官は声明で、「トランプ大統領は、会議への出席を、自身の米国第一主義の方針を世界の指導者らとともに前進させていく機会として歓迎する。...
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トランプ大統領は、世界の政府要人やグローバル企業の経営者、著名な銀行家や投資家、学者らが一堂に会する世界経済フォーラムの年次総会、いわゆる「ダボス会議」に出席する。今年の会議は1月23~26日に開催されるが、現職米大統領の出席は、2000年のビル・クリントン大統領以来18年ぶりとなる。昨年はバイデン副大統領が出席した。
ホワイトハウスのサラ・サンダース報道官は声明で、「トランプ大統領は、会議への出席を、自身の米国第一主義の方針を世界の指導者らとともに前進させていく機会として歓迎する。大統領は今年の世界経済フォーラムで、米国のビジネス、産業界、労働者を強化するための自身の政策を訴えることを心待ちにしている。」と出席の目的等を説明した。
世界経済フォーラムの設立者で主宰のスイスの経済学者、クラウス・シュワブ教授は、トランプ大統領は米国の優先政策に関する率直な見方を伝えるとしている。また、主要な閣僚と有力議員らが大統領に同行することも明らかにした。
トランプ大統領はTPP交渉や、気候変動に関するパリ協定からの離脱を主張し、NAFTAからの脱退をちらつかせて見直しを求め、中国に貿易制裁を科し、イランとの核合意を排そうとしている。今年の会議のテーマは「砕かれた世界で共有する未来を創出する」だ。会議のパネリストであるハーバード大学のケン・ロゴフ教授は、トランプ大統領には「数量化が難しい出鱈目さや政策の不確実性がある」と述べ、経済拡大のリスクと表現した。
昨年の同会議では、トランプ新大統領の米国第一主義がまさに議論の中心となり、その保護主義的な政策が世界の経済に与える影響についての議論が活発に行われた。中国の習近平主席が、対中貿易に強硬姿勢を示すトランプ氏の主張に反論する形で、貿易戦争や保護主義を排し、自由貿易の推進を呼びかけ、大きな存在感を示している。
今回トランプ大統領は、法人税の大幅な減税等を盛り込んだ税制改革の実現や、株価の上昇等による好調な経済といった、就任から約1年の実績をアピールすると思われるが、自由貿易の象徴であるダボス会議で、世界の政財界の指導者らに対し、具体的に何を主張するのかが注目される。
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