英公衆衛生当局が22日までに、深刻な問題となっている子供の肥満対策の一環として、ファーストフード等の食品業界に製品のカロリー量の削減を求めていることが明らかになった。英国は既に糖分や塩分の規制を行っているが、食事から摂取する栄養全般に目を向け、さらに本格的に対策に取り組む。
英公衆衛生当局の18日の声明によれば、子供に人気のあるファーストフード他の食品について、2018年の初めまでにカロリーの目標値を策定する「カロリー削減プログラム」を開始する。調理済の食品、ピザ、ハンバーガー、スナック類、サンドウィッチ等が対象となる。当局のドミニク・レモン氏は、食料雑貨店からコーヒーショップ、ファーストフードのレストランに至るまで、すべての業態で売られている食品が含まれると述べた。
政府は既に糖分の含有量について同様の目標値を定めており、主要食品について2020年までに20%削減する計画としているが、今回のカロリー規制により、製造業者は食品を小サイズのものにしたり、違う原材料を用いたりすることを迫られる可能性がある。
カロリーの目標値は、当初は自主的なものとして始めるとレモン氏は述べたが、もしうまく機能しなければ、法的拘束力を持たせることもあり得るという。政府は既にこうした手法を導入しており、炭酸飲料メーカーに対し、砂糖税を導入することとした。
砂糖税は子供の肥満対策の一環とされ、100ミリリットルにつき、5グラムを超える糖分含有量の飲料を対象として課税し、8グラムを超えるものにはさらに高い税率を課す。この対策は機能しており、飲料メーカーは、多くの製品で糖分含有量を減らしている。
今回の規制について、食品・飲料業界は、政府が子供の肥満対策を推進するため、糖分だけでなく摂取カロリーに焦点を当てて、食生活全般に目を向けたことを歓迎している
英国では1年に約4万人が肥満や太り過ぎが原因で死亡し、死亡原因の10%を占めると言われる。成人は1日に必要とする栄養量を平均で200-300カロリー超える食事をしている。また、子供は3人に1人が、小学校を卒業するまでに、太り過ぎか肥満となっており、恵まれない環境にいる子供たちほど肥満になりやすいという。「糖分以外の原材料からのカロリー摂取量の削減は、懸念される肥満化の傾向を逆転するために非常に重要だ。」と当局は声明で述べた。
閉じる