米領グアムは11日、北朝鮮軍が中距離弾道ミサイル「火星12」をグアム周辺に4発同時に発射する計画を検討していると9日に表明したことを受けて、実際に攻撃された場合に住民がどのように対応すべきかをまとめた緊急ガイドラインを発表した。
11日から住民に配布されている「差し迫ったミサイルの脅威に備えて」と題した2頁の印刷物は、非常持ち出し用の持ち物の準備や、攻撃が起きた際の行動計画の策定等を住民に提案した上で、実際に攻撃があった場合の具体的な対応策や助言等を示したものである。
もし攻撃の警告が出された場合、「住民はすぐにコンクリートやレンガ造りの頑丈な建物に、可能なら地下に避難し、別途指示があるまでそこに留まること。そして落ち着いて行動するように。...
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11日から住民に配布されている「差し迫ったミサイルの脅威に備えて」と題した2頁の印刷物は、非常持ち出し用の持ち物の準備や、攻撃が起きた際の行動計画の策定等を住民に提案した上で、実際に攻撃があった場合の具体的な対応策や助言等を示したものである。
もし攻撃の警告が出された場合、「住民はすぐにコンクリートやレンガ造りの頑丈な建物に、可能なら地下に避難し、別途指示があるまでそこに留まること。そして落ち着いて行動するように。」と呼びかけ、自宅、職場、学校近くのシェルターとなるコンクリート製等の構造物の一覧を事前に作成しておくよう勧めている。また外出中の人々に対しては「失明の恐れがあるので閃光や炎を見ない。地面に伏せ、頭を覆うこと。」としている。
また、放射性物質の除染に関し、「汚染物質の除去をするよう、多くの石鹸とお湯を使いシャワーを浴びる。しかし肌を引っかいたり、こすったりせず、放射性物質が髪に定着してしまうので、コンディショナーは使わない。」等の細かい注意事項も掲載した。
グアムのエディー・カルヴォ知事は、11日の記者会見で、北朝鮮が数週間の間に、島の周辺を攻撃する計画を立てていると表明した後も、脅威のレベルを引き上げておらず、島は安全であり変化はない、日常の生活を継続して欲しいと述べている。差し迫った脅威はないと冷静な対応を呼びかけたが、それでも不測の事態には備えておくよう住民に促したと、地元のパシフィックデイリーニュース等が報じた。
米国では、北朝鮮のミサイル発射技術の向上により、攻撃の射程に入るとされたハワイ州が、いち早く7月21日に、北朝鮮が実際にICBM(大陸間弾道ミサイル)を発射した場合の対応方針を策定し、今秋から訓練を実施していくことを発表している。
トランプ米大統領は11日、「もしグアムや他の米領、または米国の同盟国に対して何かをすれば、金正恩は本当に後悔することになるだろう。」「北朝鮮が愚かな行動を取った場合、軍事的な解決の準備は完全に整っている」などと、連日警告を発して北朝鮮と応酬を重ねており、一段と緊張が高まっている。
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