火曜日、ホワイトハウス上院では、ほぼ満場一致で「ロシアに制裁を課す」法案が承認される見通しとなった。トランプ大統領は、署名するか自身の共和党を敵に回してまで否決する決断をせまられており、窮地に立たされているといえる。
ロシア政府は大統領選挙のハッキング事件については完全に否定しているものの、いまだに国会や特別検察官からトランプ政権はロシア介入疑惑で調査されている状況で、今回の法案が可決されれば、トランプ大統領のロシアと友好関係を築きたいという望みもついえる結果となりそうだ。
今回の上院の法案に関する投票は、民主党だけでなくトランプ大統領の共和党からも多くの支持を得ていて、98-2という大差での勝利であり、あとはトランプ大統領が承認のため署名する段階まできている。...
全部読む
ロシア政府は大統領選挙のハッキング事件については完全に否定しているものの、いまだに国会や特別検察官からトランプ政権はロシア介入疑惑で調査されている状況で、今回の法案が可決されれば、トランプ大統領のロシアと友好関係を築きたいという望みもついえる結果となりそうだ。
今回の上院の法案に関する投票は、民主党だけでなくトランプ大統領の共和党からも多くの支持を得ていて、98-2という大差での勝利であり、あとはトランプ大統領が承認のため署名する段階まできている。トランプ大統領には否決権があり、10日以内に承認を拒否すれば法案は可決されなくなるが、すでに下院でも圧倒的多数で制裁賛成派が勝利しているために、上院・下院の両方で3分の2が賛成すれば、大統領が否決しても法案は可決される見通しだ。
今回の法案の可決に関してはオバマケア撤廃の国会の議論に比べると、超党派議員らも大いに賛同しているという。国内政策を優先させたいトランプ政権にとっては、今回の法案が可決されれば最初の外交政策に関する法律が実現化されることになる。
対ロシア強硬派のマケイン上院議員は、実質国会を統率するリーダー的役割を担っていて、今回の法案の議論でも「我が国の民主主義を侵害するロシアやその他敵対国家には強硬姿勢を示すメッセージを発しなければならない。」と主張している。しかし、ロシアのプーチン大統領はそのようなホワイトハウスの強硬姿勢などものともせず、「アメリカがロシアに制裁を課すつもりなら、報復措置を取るのは必然である。法案の最終原稿を目にしようものなら、即報復する。」とアメリカに対して脅迫じみたメッセージを放っている。そのようなロシアの強硬姿勢にヨーロッパは「アメリカがロシアに制裁を課すと、エネルギー安全保障上よくない結果になりかねない。」としてエネルギー政策の未来について懸念しているようだ。
まだ、法案が採決されるまで日数はかかるが、木曜日に、普段はトランプ大統領を擁護しているサラ・サンダース報道官も「トランプ政権はこのままロシアへの制裁を支持していくつもりです。最終的に法案がどのようになるのか行く末を見守りたいです。」と記者に対して返答している。
プーチン大統領は今回の件に対して怒りを露わにしていて、「ロシアは不条理に対してこれ以上容認するのは不可能だ。」と述べている。フィンランドのサウリ・ニーニスト大統領との共同記者会見でも、プーチン氏は「昨年の12月にも、オバマ前大統領はアメリカにあった我が国の外交関係の施設や財産などを強制的に没収し、アメリカに駐在するロシアの外交官を35人も免職した。」とコメントし、「もはや限度を超えている。アメリカの今回の制裁措置も国際法の観点からみて違法である。」と述べている。
閉じる