日本時間の3日午前9時(米国東部時間2日午後8時)から約35分間、安倍総理大臣はトランプ米大統領と電話会談を行い、日米韓の3カ国が協力して、北朝鮮に対する国際社会の圧力強化を主導していくこと、また中国に対しては、北朝鮮問題でさらなる役割を果たすよう働きかけていく方針等を確認した。ロイター通信などの海外メディアもこれについて報じた。
ホワイトハウスは声明を発表し、電話会談は、今週後半の7-8日にドイツのハンブルグで行われるG20の首脳会議前に、日米韓3カ国の緊密な連携を確認するために行われたと説明した。声明によれば、両国が「北朝鮮によって取られるいかなる脅威や行動についても、日米同盟で防衛し対応する用意ができている」ことを、両首脳は強調したという。
トランプ大統領は、先週米国が中国の銀行や海運業者、2名の個人に対して科した制裁について日本側に説明し、安倍首相はこの件について評価する姿勢を示した。...
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ホワイトハウスは声明を発表し、電話会談は、今週後半の7-8日にドイツのハンブルグで行われるG20の首脳会議前に、日米韓3カ国の緊密な連携を確認するために行われたと説明した。声明によれば、両国が「北朝鮮によって取られるいかなる脅威や行動についても、日米同盟で防衛し対応する用意ができている」ことを、両首脳は強調したという。
トランプ大統領は、先週米国が中国の銀行や海運業者、2名の個人に対して科した制裁について日本側に説明し、安倍首相はこの件について評価する姿勢を示した。大統領はまた、6月30日に行った韓国の文在寅大統領とワシントンで行った首脳会談について説明し、北朝鮮には断固たる対応を取るよう文大統領に求めるなどしたが、「非常に良好だった。」と評価した。そしてG20の首脳会議に合わせて日米韓の3カ国首脳会談を開催し、北朝鮮問題について協議することを確認した。
同じく2日の夜、トランプ大統領は中国の習近平国家主席とも電話会談を行った。トランプ大統領は4月にフロリダで習主席と首脳会談を行っている。ホワイトハウスは、今回の電話会議は「北朝鮮の核と弾道ミサイルの開発計画によって増大する脅威」について論議するためと述べた。
米中両首脳は、「朝鮮半島の非核化へのコミットメントを再確認した。」とホワイトハウスは説明している。トランプ大統領は、米国の貿易相手国と、より均衡の取れた貿易関係を目指す決意を改めて表明し、中国と通商問題についてともに取り組んで行きたいと語った。また米国、韓国、日本にとっての脅威である北朝鮮の核と弾道ミサイルの開発計画を縮小させるため、中国がその経済的な力を使って北朝鮮に圧力をかけて欲しいと注文を付けた。
最近のトランプ大統領は、中国が北朝鮮に対して十分に圧力をかけていないとして苛立ちを見せており、貿易問題に関して措置を取ることを検討する等、中国に対する態度に変化が見られる。6月29日には前述した中国の銀行等に対する制裁措置や、台湾に14億ドルの武器売却を決定した他、2日には米国の駆逐艦が、中国が実効支配し軍事拠点化を進めていると見られる西沙諸島で「航行の自由作戦」を行うなどして、中国の反発を招いた。G20首脳会議時には中国とも個別に首脳会談を行う予定なので、米中両国の今後の対応が注目されている。
トランプ大統領は、安価な鉄鋼素材の輸入への依存が米国の安定を脅かしているとして、安全保障上の理由から、鉄鋼の輸入に関して割当量の取り決めや関税の導入を検討しており、G20で論議する意向と言われる。世界的な生産過剰の懸念もあり、特に中国に関してはそうだとトランプ政権の高官が語った。
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