マティス国防長官は、28日、核やミサイル開発を進める北朝鮮と軍事衝突になった場合、戦争は「壊滅的」なものになる恐れがあり、近隣の同盟国を極限のリスクに置く可能性があると警告した。
「北朝鮮の政権は、何百台もの大砲やミサイル発射台を配備しているが、地球上で最も人口密度が高い都市のひとつである、韓国の首都がその射程範囲にある。」と初めてのテレビインタビューとなる、CBSの番組”Face the Nation”に出演し、語った。
また「殆どの人の生涯において、おそらく最悪の種類の戦争となるだろう。その政権は、同地域の日本や韓国にとっての脅威だ。もし戦争となれば、中国やロシアにも危険が及ぶ。...
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「北朝鮮の政権は、何百台もの大砲やミサイル発射台を配備しているが、地球上で最も人口密度が高い都市のひとつである、韓国の首都がその射程範囲にある。」と初めてのテレビインタビューとなる、CBSの番組”Face the Nation”に出演し、語った。
また「殆どの人の生涯において、おそらく最悪の種類の戦争となるだろう。その政権は、同地域の日本や韓国にとっての脅威だ。もし戦争となれば、中国やロシアにも危険が及ぶ。また米国にとっても直接の脅威となっている。」と述べ、「我々は国際社会とともに問題に対処すべく動いているが、もしこの状況を外交的手段で解決できずに戦争となれば、大惨事となることだけは確かだ。」と強調した。
北朝鮮は急速に核やミサイルの開発計画を進めており、米国ではトランプ大統領が就任し、以前の大統領たちとは対照的に、その孤立した国と直接相対峙し始めたことから、先月来両国間の緊張状態が高まっている。北朝鮮は、もし米国が先制攻撃をしかけた場合、「全面的な戦争や核戦争」の準備ができていると警告していた。
これにより、米国は空母打撃軍を朝鮮半島近辺の西太平洋に移動させたが、北朝鮮はその動きを侵略行為であると非難し、事が起きれば米国に打撃を与えると脅してきた。こうした応酬により、近隣諸国、特に韓国や日本等、米国が何万人もの軍隊を駐留させている国は警戒を強めている。
トランプ大統領は先月のロイター通信のインタビューで、米朝間の「大きな大きな対立」があり得る、外交的に解決したいが、そうした道は「非常に難しい」かも知れないと語っている。しかしマティス長官は、いつ流血の戦闘状態が避けられない状況にまで北朝鮮が事態を悪化させるのか、米国は軍事行動に踏み切る期限はあるのか等については、語ろうとしなかった。「北朝鮮も知らない何かを我々は実際に知っているかも知れないので、私はそれについては沈黙を保ちたい。」として、越えてはならない一線は引かず、中国と連携して問題に対処する、と述べた。
マティス長官は、IS(イスラム国)との戦いより北朝鮮問題について、より懸念を持っているようだった。北朝鮮によるミサイル実験の定期的な発表を見れば、その兵器の性能が、発射実験を行う毎に向上していると考えられるからだ。
ISに関しては、米国は既に、テロリストが支配する地域から彼らを追い出す作戦から、壊滅させる作戦へと戦略を変更している。「我々はISについては事態を収拾できると見ている。戦場では成功を収めてきた。我々は彼らの支配下にあった何百万人もの人々を解放しし、ISから奪回した地域は、これまで彼らに再度手渡すことはなかった。我々がしていることが効果的であるということだ。」と長官は語った。米国は今年、戦争地域では初めて、東アフガニスタンに潜伏するISの兵士を壊滅させるため、所有する通常兵器では最大となる爆弾を投下するなどして、攻勢を強めている。
北朝鮮は29日朝、南東部の江原道元山付近から日本海に向けて弾道ミサイルをまた発射した。約400キロ飛行し、佐渡島から約500キロ、隠岐諸島から約300キロの日本海上に落下した、日本の排他的経済水域(EEZ)内と推定される、との分析を日本政府が発表している。
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