【Globali】
バフェット氏 米医療保険改革について語る(2017/05/08)
世界最大の投資会社であるバークシャー・ハサウェイ社の株主総会が6日、本部を置くネブラスカ州オマハで開かれ、「投資の神様」と呼ばれている億万長者のウォーレン・バフェット会長兼最高経営責任者(CEO)が、会場のアリーナを埋めた3万人以上の聴衆を前にして、スピーチした。
一般の聴衆も、そして同社のグループ会社の経営者も、毎年新しい知恵を授かるのではないかと期待して、バフェット氏の率直でわかりやすい話に耳を傾ける。同氏は副会長のマンガー氏とともに、過去にグーグルへの投資を見送ったことや、IBMへの投資は失敗だったとして保有する株式の3分の1を売却したこと、投資しているウェルズ・ファーゴ銀行の不祥事への対応の失敗等、様々な話題を提供した。
バフェット氏は、オバマケアを無効にしたトランプ政権や共和党が推した医療保険改革法案について聞かれ、「自分のような裕福な層に減税の恩恵をもたらす」ものと言った。...
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一般の聴衆も、そして同社のグループ会社の経営者も、毎年新しい知恵を授かるのではないかと期待して、バフェット氏の率直でわかりやすい話に耳を傾ける。同氏は副会長のマンガー氏とともに、過去にグーグルへの投資を見送ったことや、IBMへの投資は失敗だったとして保有する株式の3分の1を売却したこと、投資しているウェルズ・ファーゴ銀行の不祥事への対応の失敗等、様々な話題を提供した。
バフェット氏は、オバマケアを無効にしたトランプ政権や共和党が推した医療保険改革法案について聞かれ、「自分のような裕福な層に減税の恩恵をもたらす」ものと言った。この法案はオバマケアが高額所得者層の所得税や投資にかかる税負担を増加することにより、保険の財源を確保する等の仕組みを撤廃しているからである。
さらに企業にとっては、医療保険にかかるコストは法人税よりずっと大きなダメージとなり、医療費の負担は米国経済の競争力を奪うものとなると語った。バフェット、マンガー両氏によれば、米国の医療保険に係わるコストは1960年代にはGDPの5%程度だったが、その後急激に増加し、現在では約17%となっている。他の国々の状況を見ると10%程度に抑えられているところが多いため、米国企業が不利な状況にあるというわけだ。
93歳のマンガー副会長とともに50年以上同社を率いてきた86歳のバフェット氏は、自らの後継者に求められる素養について、バークシャー社の資金を賢明に運用することが最も重要としたが、自分の引退については決して語らなかった。同社は現在の経営陣から後継者を出す予定であるが、できるだけ権力を分散し、子会社が独立して運営されるような構造にしたいと言っている。
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