米国議会では、9月末までの新予算案について、1週間の臨時の予算を確保して検討していたが、この度二大政党間での合意が成立し、懸念されていた政府機関の一部閉鎖は回避される見通しとなった。
議会では今週初めに新予算案についての投票が行われる見込みである。両党による合意には、共和党にとっての最重要課題である軍事支出125億ドルと国境警備費15億ドルが含まれている。
トランプ大統領がメキシコ国境の壁の建設のための資金調達を予算に含めるとした後、議会は数週間にわたり紛糾していたが、大統領は最終的にその要求をドロップし、その他の政策で長く残っていた問題についても合意が成立した。...
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議会では今週初めに新予算案についての投票が行われる見込みである。両党による合意には、共和党にとっての最重要課題である軍事支出125億ドルと国境警備費15億ドルが含まれている。
トランプ大統領がメキシコ国境の壁の建設のための資金調達を予算に含めるとした後、議会は数週間にわたり紛糾していたが、大統領は最終的にその要求をドロップし、その他の政策で長く残っていた問題についても合意が成立した。新規の国境警備費には、技術的な投資や、既存の壁・インフラの修理についてしか使用できない、という厳しい用途の制限が条件として付いている。
この合意案には、プエルトリコが公的医療保険制度の1つであるメディケイドへの支払いを継続することを援助するための2億9,500万ドル、オピオイド中毒対策のための1億ドル、トランプ大統領が当初削減を提案していたエネルギーや科学に関する予算の増加など、民主党が譲れない幾つかの政策上の主張も考慮されている。上院での通過のためには民主党の協力が不可欠だ。
またこの予算案には、フロリダ州とニューヨーク州の住宅にトランプ大統領が移動する際に地元機関が警備に使った費用を払い戻すための6,100万ドルも含まれており、これは予算案の交渉に当たったニューヨークの民主党議員にとっては主要な優先事項であった。
さらに両党合意の上で、炭鉱労働者の健康保険プログラムを永久的に提供することや、西部諸州での森林火災の救済ファンドである4億700万ドルの予算手当についてもこれに含めた。
この合意された予算案については、「連邦政府の必須機能が維持されることを確かなものにする。」とニュージャージー選出の共和党議員で、下院歳出委員会のロドニー・フリーリングハイゼン委員長を始め、両党の多くの議員が評価をしている。
医療制度改革に関する共和党側の修正法案への投票を強行に行うと、民主党議員が反発して予算案自体の投票が大きく影響を受けるため、医療法案について共和党は慎重に票読みを行っていた。そのため、先週行われた予算に関する両党の会談の中では、医療問題の取り扱いは複雑な状態になっていた。共和党のケビン・マッカーシー下院院内総務は記者団に対し、「我々はまだメンバーを教育しているが、大きな進展があった。成立に必要な票が読めたらすぐに投票を行う。」と述べている。
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