フランシスコ・ローマ法王は、米国と北朝鮮の緊張の高まりが、大きな軍事的衝突につながる可能性があると懸念を示し、第三者の仲介役を関与させた新たな外交手段を求めるとともに、国連に緊張を緩和させる主導的な役割を果たすよう求めた。
ローマ法王は、訪問先のエジプトからイタリアに帰国する途中、自身の特別機の中で記者団との会見に応じたが、ある記者から、北朝鮮問題が危機的となっている現在の情勢下で、各国の指導者たちに何を話すかと尋ねられた。
法王は「状況は余りにも熱くなり過ぎている。私は常に外交手段を通じた解決策を求める。」と答えた上で、数年来の「断片的な第3次世界大戦」が起きているとし、今後対立が激化していくだろうと述べた。...
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ローマ法王は、訪問先のエジプトからイタリアに帰国する途中、自身の特別機の中で記者団との会見に応じたが、ある記者から、北朝鮮問題が危機的となっている現在の情勢下で、各国の指導者たちに何を話すかと尋ねられた。
法王は「状況は余りにも熱くなり過ぎている。私は常に外交手段を通じた解決策を求める。」と答えた上で、数年来の「断片的な第3次世界大戦」が起きているとし、今後対立が激化していくだろうと述べた。
「断片的であるが、断片は次第に大きくなり、既に熱い場所に集中している。今日、広域にわたる戦争が起きれば、人類の半数とは言わないが、多くの人類と文化を死滅させてしまうだろう。私は人類がそれに耐えられるとは思わない。」と述べ、外交がこうした時代における最善の対応策であると主張した。
また、国連はそのリーダーシップを再び発揮する義務があるとして、ノルウェーのような第三国に仲介役を務めてもらい、北朝鮮と米国の間の交渉を促進することを提案し、そうした役割を果たしうる国は他にも多くあると語った。
法王のコメントは、トランプ大統領がメディアのインタビューで、北朝鮮との関係が大きな軍事衝突で終わる可能性があることを示した後に出されたものである。
以前トランプ大統領の、メキシコ国境に壁を建設するという選挙での公約について尋ねられた法王は、そうした大統領の信念に疑問を投げかけた。「どこであろうと橋ではなく、壁を建設することばかり考えている人は、キリスト教徒ではない。」と言っている。法王は、今のところホワイトハウスからの会談要求はないと述べた。
法王はエジプトで、キリスト教施設に攻撃を繰り返すイスラム教徒に自制を求めた。エジプトでは、最近キリスト教少数派であるコプト教の教会を襲撃するテロが続き、多くの人が犠牲になっている。イスラム教徒とキリスト教徒の関係の融和を呼び掛ける旅から帰国する途中であった。
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