先週のアサド政権の化学物質と思われるガスを使用した空爆により子供を含め80人以上もの一般市民が犠牲になり、トランプ政権は「残虐な殺戮行為を繰り返すアサド政権を支持しているロシアはもはや共犯である。」との声明をだし、アメリカはシリア問題を巡ってロシアと対立する方針に方向転換したといえる。
水曜日にはレックス・ティラーソン国務長官がロシアを訪問する予定だが、「ロシアをいかに説得しアサド政権への肩入れをやめさせるか」ということが争点となりそうだ。
トランプ大統領は大統領選挙時のロシアのハッキングでの介入事件や「プーチン氏を尊敬している」とのコメントなどにより、プーチン氏との闇のネットワークが疑われていたが、「シリアのたくさんの罪のない子供たちが犠牲になる映像を見て考えが変わった」と述べている。...
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水曜日にはレックス・ティラーソン国務長官がロシアを訪問する予定だが、「ロシアをいかに説得しアサド政権への肩入れをやめさせるか」ということが争点となりそうだ。
トランプ大統領は大統領選挙時のロシアのハッキングでの介入事件や「プーチン氏を尊敬している」とのコメントなどにより、プーチン氏との闇のネットワークが疑われていたが、「シリアのたくさんの罪のない子供たちが犠牲になる映像を見て考えが変わった」と述べている。
ニッキー・ヘイリーアメリカ国連大使はCNN番組内にて「ロシアはアサド政権が化学兵器を使用する計画を事前に知っていたのにもかかわらず、わざと隠ぺいしたのは間違いありません。そうでなければ、ロシアもアサド政権に騙されているのだと考えられます。」とコメントしている。
また、ティラーソン国務長官は「ロシアは2013年のシリア政府の化学兵器を廃棄する合意をなぜ守らなかったのか問いただしたい。」と述べている。
反政府軍やアサド政権だけでなく、ISなど様々な組織が群雄割拠する混沌としたシリアの中で、ロシアは常にアサド政権をバックアップしてきた。
そのような中で、ロンドンのタイムズ紙は「ティラーソン国務長官はロシアでの会談にて、ロシアが化学兵器のことを知っていた証拠を提示するつもりである。」とはっきりと発表していて、さらにAP通信は「化学兵器についての証拠を隠ぺいするためにロシアは病院などを空爆したと考えられる。」と述べている。しかし、ティラーソン氏は「残念ながらそれらについての決定的な証拠はない」とも述べている。
ロシア側は先日のアメリカのシリア軍の飛行場を巡航ミサイルで攻撃した件については「アメリカの行為は国際法に違反している。トランプはシリア問題をきっかけに世界戦争を起こす張本人になるであろう。」とトランプ政権を煽るような批判をしている。
しかし、トランプ大統領は「飛行場から化学兵器の空爆が指示されたことは確実である。これは正統な権利に基づいた残虐行為に対する報復である。」と反論している。
アメリカ政府側は「アサド政権が続く限りシリア問題は永久に解決しえない。ロシアにもアサドを政権の座から引きずりおろし追放するよう説得しなければならない。そして我々だけでなくロシアを中心に世界各国は、シリア問題について
『なぜこのような惨事が起き続けなくてはならないのか』、それを真剣に自分たちに問いなおすべきである。」と述べている。
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