【Globali】
トランプ氏、今度はトヨタに矛先(2017/01/06)
トランプ次期大統領は、米自動車メーカーのフォードやGMがメキシコに工場を建設して製造した自動車を米国内で販売することを厳しく批判し、フォードに至ってはメキシコ工場建設計画を撤回するところまで来ているが、今度はトヨタのメキシコ工場建設計画に矛先を向けて来た。同氏の個別企業攻撃は止まるところを知らないが、果たしてこのやり方が米国経済再生の特効薬となるのか、何せやり方自体初めて経験することなのでお手並み拝見としか言いようがない。
1月5日付
『ワシントンポスト』は、「トランプ氏トヨタを脅す、但し事実認識に誤りが」という見出しで、自動車業界に対するツイッター上の激しい非難を続けるトランプ次期大統領は木曜日トヨタのメキシコ投資を非難したが、同社の事業について誤って記述したと報じた。トランプ氏はツイッター上でトヨタがメキシコのバハでの工場建設で巨額の罰金を科されるかもしれないと警告したが、ツイッターの記述は誤っているようだ。同社によればバハ工場はタコマブランドのトラックを組み立てており、グアナファトの新工場がカローラを建設する予定である。...
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1月5日付
『ワシントンポスト』は、「トランプ氏トヨタを脅す、但し事実認識に誤りが」という見出しで、自動車業界に対するツイッター上の激しい非難を続けるトランプ次期大統領は木曜日トヨタのメキシコ投資を非難したが、同社の事業について誤って記述したと報じた。トランプ氏はツイッター上でトヨタがメキシコのバハでの工場建設で巨額の罰金を科されるかもしれないと警告したが、ツイッターの記述は誤っているようだ。同社によればバハ工場はタコマブランドのトラックを組み立てており、グアナファトの新工場がカローラを建設する予定である。新工場は昨年11月に着工し2019年生産開始の予定である。この生産はカナダの工場からの移転となり、トヨタは木曜日メキシコ新工場建設は、米国における雇用にも生産にも影響しないという声明を発表した。同時にトヨタは約60年に亘って米国において文化の融合を担っており、トランプ政権と協働して消費者と自動車業界の最大の利益のために尽くすことを期待していると述べた。トランプ氏は米企業に対し雇用や生産を国外に移し、米国で販売する場合は関税を課すと警告してきたが、外国企業に同様の警告を行うのは初めてである。但し、関税の詳細については触れていない。
貿易の専門家はホワイトハウスに個別企業に対する関税を懲罰として掛ける権限があるとは思えないが、トランプ氏の選挙公約であるメキシコや中国からの輸入に二けたの包括的関税を一方的に掛けられるかについては議論のあるところであるという。一般的にいってその権限は議会にあり、共和党のライアン下院議長は今週このような手段には反対すると表明している。同氏は「関税を引き上げるつもりはない。保護主義の台頭や貿易戦争による悪影響を排除して公平さを保って貿易不均衡を是正する最良の手段は税制改革である」と述べた。トランプ氏の保護主義的スタンスは共和党が従来自由貿易擁護を貫いてきたことと矛盾する。トランプ氏の陣営もグローバリゼーションの利益について意見がわかれているようだ。国家経済会議の議長に選ばれたコーン氏はウォール街出身で国際経験豊富なのに対し、国家通商会議議長に選ばれたナバロ氏は強硬な反中国論者、USTR代表のライトハイザー氏も自由貿易に批判的である。民主党の上院財政委員会のベテラン議員であるワイデン氏はライトハイザー氏の指名後新政権の貿易政策について明確化を求めて「新政権はツイッターの制限字数140字以上で国際貿易に対する方針の説明をする必要があるが遅すぎる」と述べたと報じている。
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