キッチン道具や子どものおもちゃに使用される黒色プラスチックやテイクアウト容器、食器、食品トレイには、リサイクルの過程で人体に危険なレベルの有害な耐火材が含まれてしまう可能性があるという。
10月1日付米
『CNN』:「キッチン道具やおもちゃに利用される黒いプラスチックに規制有害耐熱材」:
キッチン道具や子どものおもちゃに使用される黒色プラスチックやテイクアウト容器、食器、食品トレーには、リサイクルの過程で危険なレベルの有害な耐火材が含まれてしまう可能性がある。
消費者にとって最も危険な耐火材は、電化製品ゴミの誤ったリサイクル方法により、リサイクルプラスチック製品に入ってしまったものである。...
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10月1日付米
『CNN』:「キッチン道具やおもちゃに利用される黒いプラスチックに規制有害耐熱材」:
キッチン道具や子どものおもちゃに使用される黒色プラスチックやテイクアウト容器、食器、食品トレーには、リサイクルの過程で危険なレベルの有害な耐火材が含まれてしまう可能性がある。
消費者にとって最も危険な耐火材は、電化製品ゴミの誤ったリサイクル方法により、リサイクルプラスチック製品に入ってしまったものである。
例えば、黒色の寿司用トレーには、ポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDB)類に属するデカブロモジフェニルエーテル (デカ BDE)が11900ppm含まれている。
今年4月の調査によると、血中のPBDB量が高い場人では、低い人に比べ約3倍がんで死亡するリスクが高くなるという。
2021年米環境保護庁は、デカ BDEを内分泌系や甲状腺がん、胎児や子どもの発達と神経機能、生殖免疫系への問題があるとして完全に禁止している。調査では、この規制にもかかわらず、デカBDEがEUの基準(10ppm)の5倍から1200倍の量が7割のサンプル調査から見つかったという。
人は、スパチュラや穴じゃくし等の黒色プラスチックでできた調理用品により、一日あたりデカBDEが平均34.7ppmの有害物質にさらされる計算となる。
米国では、火災防止上、電化製品に耐火材が使われるのが一般的となっている。通常の家庭にはテレビ、スマートフォン、パソコン、ゲーム機、タブレット等20以上の電気製品がある。電化製品に耐火材のような有害物質が使われている場合に、リサイクルされて、気が付かずに他の製品を含んでしまうことがある。
このような電子機器ゴミのリサイクルは循環型経済に重要だが、危険物質のリサイクルには危険が伴っている。ここでは政府や企業が耐火材や有害プラスチック等の有害物質の使用を規制する必要があると指摘されている。
同日付米『SAN』:「調理器具や玩具の黒色プラスチックに有害物質が関係している」:
1日発表された調査によると、黒色プラスチックにはリサイクルされる過程で付随する憂慮すべきレベルの有害な耐火材が含まれているという。
環境団体「Toxic-Free Future」の調査では、子どもが海賊に扮するコスチューム用のネックレスに相当な量の有害物質が見つかったという。
黒いプラスチックと有害物質との関係性の調査は以前にもあったが、発がん性リスクが高まっているポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)のような化学物質との関係性を扱う調査はこれが初となる。
調査ではデカブロモジフェニルエーテル(DecaBDE)という種類がサンプル調査の70%で発見された。これは米国で2021年から環境保護庁(EPA)により規制されている物質である。欧州連合では製品中10ppmのDecaBDEは許容範囲とされているが、調査ではその5~2100倍の量が確認された。
黒いプラスチック製キッチン用具では、使用頻度により、一日あたりDecaBDEが38ppmが発生する可能性がある。これはEUの基準の3倍以上となる。
有害物質は概ねテレビ、スマートフォン、ゲーム、PC等の電化製品に使用されている耐火材に含まれ、不適切なリサイクル過程により発生する。耐火材はソファ、ヨガマット、チャイルドシート等多くの製品に使用されている。
国立環境衛生科学研究所は、このような有害物質は飲食物やホコリなどと結びついて空気中に放出されるとする。一方、北米難燃剤同盟(NAFRA)は、この調査は実際の人への暴露レベルや方法を考慮したものではないと指摘している。今回黒色だけを対象としたが、別の色のプラスチックでの物質含有量についてはわかっていない。
「Toxic-Free Future」は、暴露を抑えたい場合は、キッチン道具をステンレス製に換え、汚染したホコリを除去するよう、こまめに掃除をし、一度食べ物を入れて使った黒色プラスチック容器を洗って再利用しないことや電子レンジにかけないことを推奨している。
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