世界最大のコーヒーチェーン店のスターバックス(1971年創業)は、86ヵ国に3万8千店以上を展開している。中国にも1999年に進出して以来、同市場を席捲していたが、2020年に中国最大手の瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー、2017年創業)に店舗数で抜かれて以降、他の中国資本コーヒーチェーン店が次々に立ち上げられたこともあって、今や望まぬ価格戦争に巻き込まれてしまっている。
5月27日付
『ロイター通信』は、世界最大のコーヒーチェーン店のスターバックスが、中国市場において熾烈な価格戦争に巻き込まれていると詳報した。
世界最大のコーヒーチェーン店のスターバックスは、1999年に中国に進出して以来、上海900店・北京400店を含めて6,480店余りを展開し、同市場を席捲してきた。
しかし、同社は、中国最大手のラッキンコーヒー(1万店舗余り保有)に2020年に店舗数で抜かれ、2023年には売上高においても前者の31億6千万ドル(約4,960億円)に対して後者が34億5千万ドル(約5,420億円)を売り上げたことから、後塵を拝することになっている。...
全部読む
5月27日付
『ロイター通信』は、世界最大のコーヒーチェーン店のスターバックスが、中国市場において熾烈な価格戦争に巻き込まれていると詳報した。
世界最大のコーヒーチェーン店のスターバックスは、1999年に中国に進出して以来、上海900店・北京400店を含めて6,480店余りを展開し、同市場を席捲してきた。
しかし、同社は、中国最大手のラッキンコーヒー(1万店舗余り保有)に2020年に店舗数で抜かれ、2023年には売上高においても前者の31億6千万ドル(約4,960億円)に対して後者が34億5千万ドル(約5,420億円)を売り上げたことから、後塵を拝することになっている。
更に、以降も庫迪珈琲(コッティコーヒー、2022年創業、世界5ヵ国で6千店舗余り展開)、マナーコーヒー(2015年創業、1千店舗)、Kコーヒー(2019年KFCが立ち上げ、6千店舗)等と次々に中国資本のコーヒーチェーン店が立ち上げられ、群雄割拠の様を呈している。
その結果、スターバックスとしては望まぬ価格戦争に巻き込まれつつある。
すなわち、同社中国支社のベリンダ・ワン最高経営責任者(CEO)は今年1月、“当社は、価格競争に参入する意向はなく、高品質で収益性の高いコーヒーを提供することで持続的な成長を続ける”とし、また、3月に上海を訪問した同社創業者のハワード・シュルツ元会長(70歳、2018年会長辞任、2022~2023年暫定CEO)も、ワン氏と同様の発言を行った。
しかし、業界アナリスト、『ロイター通信』の調査、更には中国人顧客のSNS投稿内容等から、様々な形での割引クーポンを発行していることが分かっている。
なお、スターバックス含めた、各社の実質販売価格は以下のようになっている。
<アメリカーノ(エスプレッソに湯を注いだコーヒー)>
・スターバックス:17元(約369円)、表示価格30元(約651円)
・ラッキンコーヒー:9.9元(約215円)、表示価格26元(約564円)
・コッティコーヒー:8.8元(約191円)、表示価格23元(約499円)
・マナーコーヒー:10元(約217円)、表示価格15元(約326円)
・Kコーヒー:9.9元(約215円)、表示価格17元(約369円)
<ラテ(エスプレッソと牛乳を混ぜたコーヒー)>
・スターバックス:19.9元(約432円)、表示価格33元(約716円)
・ラッキンコーヒー:9.9元(約215円)、表示価格29元(約628円)
・コッティコーヒー:8.8元(約191円)、表示価格26元(約564円)
・マナーコーヒー:15元(約326円)、表示価格20元(約434円)
・Kコーヒー:9.9元(約215円)、表示価格20元(約434円)
閉じる