4月8日付
『AP通信』は、日本財団がロヒンギャ難民救済のために様々な支援を行っていると報じている。
2017年以来、ミャンマー国軍等に虐げられて難民となったロヒンギャ族は70万人以上に上る。
彼らは、ミャンマー政府の意向もあって不法滞在者と見做されてきたため、十分な教育等が受けられなかったために定職に就けず、困窮していたが、更に居住地も奪われた訳である。
そうした中、日本の社会活動団体である日本財団が、彼らを救済するために資金提供や職業訓練等を行う支援活動を行っていることが分かった。...
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4月8日付
『AP通信』は、日本財団がロヒンギャ難民救済のために様々な支援を行っていると報じている。
2017年以来、ミャンマー国軍等に虐げられて難民となったロヒンギャ族は70万人以上に上る。
彼らは、ミャンマー政府の意向もあって不法滞在者と見做されてきたため、十分な教育等が受けられなかったために定職に就けず、困窮していたが、更に居住地も奪われた訳である。
そうした中、日本の社会活動団体である日本財団が、彼らを救済するために資金提供や職業訓練等を行う支援活動を行っていることが分かった。
同財団の笹川陽平会長(85歳、2005年就任)は4月7日、『AP通信』のインタビューに答えて、“ロヒンギャ難民をバングラデシュのバシャン・チャール島(約60キロメートル南東沖)に移住させ、そこで職業訓練等を行う”とし、“そのために200万ドル(約3億円)を拠出する”とコメントした。
同会長は更に、“バングラデシュ政府の同島への難民受け入れに関わる支援に感謝する”とした上で、“ロヒンギャ族の人たちが、出身地であるミャンマーに戻れるようにするための支援活動である”と付言している。
バングラデシュ南東端のコックス・バザール(ミャンマー国境付近)には100万人余りのロヒンギャ難民が一時的に居住しているが、シェイク・ハシナ首相(76歳、1996~2001年第一期、2009年再任)は、彼らをミャンマーに強制送還することはないとした上で、イスラム教徒である彼らを仏教が主流のミャンマー政府が虐げることに対して国際社会がもっと糾弾すべきだと訴えている。
同会長によると、バングラデシュ政府は、バシャン・チャール島に逃れたロヒンギャ族のために、洪水を防ぐ10キロメートルの堤防を築いただけでなく、学校・病院・モスク(イスラム教の礼拝堂)の建設や、太陽光発電による電力供給も施してくれているという。
なお、同会長は、直近でも150回以上ミャンマーを訪れて様々な支援活動を行っていて、ミャンマー国民和解担当日本政府代表(2013年安倍政権によって任命)の任務も負っている。
(注1)日本財団:公営競技の1つである競艇(ボートレース)の収益金をもとに、海洋船舶関連事業の支援や公益・福祉事業、国際協力事業を主に行っている公益財団法人。1962年に右翼活動家・社会奉仕活動家の故笹川良一(1899~1995年)によって前身の日本船舶振興会が創立され、2011年に改称。
(注2)ロヒンギャ族:ミャンマー西部のラカイン州及びバングラデシュ東部のチッタゴン管区に居住するイスラム教徒。ミャンマーでは「不法滞在者」と見なされているため、移動の自由は認められておらず、修学も、就職も厳しく制限されている。そのため、農業や日雇い以外の仕事に就くことは困難。2017年以降のミャンマー国軍・警察・自警団などによる攻撃で、70万人以上が国外に逃れている。
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