既報どおり、2022年の総選挙に勝ち、9年振りに政権返り咲きの豪州労働党は、中国との関係を修復して経済連携強化を図ろうとしてきている。そうした中、駐豪州中国大使がこの程、1月13日の台湾総統選で与党・民進党候補が勝利する直前、中国との連携強化を望むならば、反中政策を取る同候補を支援することは控えるべきだと、脅しともとれる発言をしている。
1月13日付豪州
『ジ・オーストラリアン』紙、フランス
『AFP通信』は、駐豪州中国大使が、台湾総統選に関して豪州政府に対して、対中関係改善を望むなら、現与党・民進党候補を支援したり迎合したりすることは控えるべきだと発言したと報じている。
『ジ・オーストラリアン』紙は台湾総統選の直前、駐豪州中国大使の肖謙氏(シャオ・チャン、59歳、2022年就任)の単独インタビューを行った。
その際、同大使は、豪州の対台湾政策を制御するような脅しとも取れる発言をしていた。...
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1月13日付豪州
『ジ・オーストラリアン』紙、フランス
『AFP通信』は、駐豪州中国大使が、台湾総統選に関して豪州政府に対して、対中関係改善を望むなら、現与党・民進党候補を支援したり迎合したりすることは控えるべきだと発言したと報じている。
『ジ・オーストラリアン』紙は台湾総統選の直前、駐豪州中国大使の肖謙氏(シャオ・チャン、59歳、2022年就任)の単独インタビューを行った。
その際、同大使は、豪州の対台湾政策を制御するような脅しとも取れる発言をしていた。
発言骨子は以下のとおり。
● 頼清徳候補(ライ・チンテ、64歳)を立てている民進党は、一連の挑発的行動で外部勢力と結託し、台湾海峡の現状を変えるという罪を犯した。
● もし豪州が、このような台湾分離主義者と連携しようとするならば、豪州国民は崖っぷちに立たされることになる。
なお、頼候補は総統選を迎えるに当たって、“台湾の民主主義の強さを示すため、投票に行って欲しい”と訴えた上で、“苦労して勝ち取った民主主義を守るため、私たち全てが熱心な行動を示すべきだ”と強調した。
また、強力な対抗馬となっている侯友宜候補(ホウ・ヨウイ、66歳)率いる野党・国民党は、“民進党は、「台湾は独立している」との詭弁を弄している”と非難した。
その上で侯候補は、米国を含む国際的なパートナーとの強固な関係を維持しながら、経済的繁栄を促進すると主張している。
一方、豪州のアンソニー・アルバニージー首相(60歳、2022年就任)は、“誰もが、民主的な選挙の結果を尊重することが重要だ”とした上で、“それは台湾市民が決めることだ”とコメントしている。
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