フランス24チャンネルは、これまでの20年間、4℃の冷却水を流す全長89㎞の配管がパリの地下に設けられ、パリの歴史的建造物のルーブル美術館や国民議会などを冷房していると伝えている。
頻発する熱波に対する対策として、パリではセーヌ川の水を利用した歴史的建造物を良好な温度に保持してきた、これまで一般に知られていない都市の冷却ネットワークを他の公的建物にまで拡張することを計画している。
パリ市は今から2040年までに世界で最も大きな都市冷却ネットワークを持つ都市に発展させたいと考え、20年間にわたる契約を結んだ。エネルギー企業のエンジー社はパリ冷却設備社の85%の株式を保有し、パリ交通公団(RATP)はパリ冷却設備社の15%の株式を保有している。...
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頻発する熱波に対する対策として、パリではセーヌ川の水を利用した歴史的建造物を良好な温度に保持してきた、これまで一般に知られていない都市の冷却ネットワークを他の公的建物にまで拡張することを計画している。
パリ市は今から2040年までに世界で最も大きな都市冷却ネットワークを持つ都市に発展させたいと考え、20年間にわたる契約を結んだ。エネルギー企業のエンジー社はパリ冷却設備社の85%の株式を保有し、パリ交通公団(RATP)はパリ冷却設備社の15%の株式を保有している。
パリ市の水道設備担当のダン・レール副市長は、2042年にはパリの全区に冷却水ネットワークが行きわたることになると語った。
冷却水ネットワークを発展させることで、個々のエアコンの集中的な使用、すなわち、電力の大量消費による温室効果ガスの排出を抑制することができると考えられている。
エンジー社のコマーシャルディレクターは、パリ市と協力して、利用者側に冷却水ネットワークが効果を発揮するように、建物の内と外での温度差を5℃から8℃に保持することを推奨している。冷却水ネットワークは将来的に全てのパリ市内の病院や多くの学校や地下鉄の駅に供給されることになるという。
パリのアンヴァリッド橋の右岸の地下40mに水を冷却するポンプや入り組んだ配管があり、ここで冷媒を使って冷却水が製造され、地下の配管ネットワークにポンプで送られる。冷却水ネットワークシステムは、ほぼ全自動で運転され、リヨン駅近くの中央監視センターから2人の技術者により遠隔操作されるという。
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