内閣府が6月8日に発表した、直近四半期(1~3月期)の国内総生産(GDP)改定値(年率▼0.5%減)が、5月に公表された速報値(同▼1.0%減)より若干上方修正され、かつ、民間エコノミスト予測(中央値同▼1.1%減)をも上回った。これについて、欧米金融アナリスト含めた専門家らが、物価高・円安二重苦の中での達成を評価し、第二四半期(4~6月期)以降の更なる好転に期待している。
6月8日付
『AP通信』は、「日本経済、マイナス成長も当初の予想値より減少率改善」と題して、日本の直近四半期(1~3月期)のGDPがマイナス成長となったものの、当初の予想値より若干上方修正され、経済アナリストも安堵していると報じた。
内閣府は6月8日、1~3月期のGDPが前期比減少しているが当初の予想値より若干改善していると発表した。
5月に公表された速報値では、年率換算で▼1.0%減だったが、それが同▼0.5%減に上方修正されている。...
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6月8日付
『AP通信』は、「日本経済、マイナス成長も当初の予想値より減少率改善」と題して、日本の直近四半期(1~3月期)のGDPがマイナス成長となったものの、当初の予想値より若干上方修正され、経済アナリストも安堵していると報じた。
内閣府は6月8日、1~3月期のGDPが前期比減少しているが当初の予想値より若干改善していると発表した。
5月に公表された速報値では、年率換算で▼1.0%減だったが、それが同▼0.5%減に上方修正されている。
当初の予想値より、個人消費がプラスに転じたことと、自動車販売等の耐久財や携帯電話等の通信料のマイナス幅が縮んだためとする。
オランダの総合金融グループING(1991年設立)シンガポール支店アジア太平洋担当部門のロバート・カーネル部門長は、“現実問題、物価高が逆風となるが、日本の第2四半期(4~6月期)GDPは更に上向くと期待される”とコメントした。
特に、新型コロナウィルス感染抑制のために採用されていた外国人旅行者の入国制限措置が緩和されることから、経済成長を促すことになるとみられる。
ただ、ウクライナ戦争に起因するエネルギーや食料品の世界的インフレーションに伴い、石油・食品等多くを輸入に頼る日本にとって、経済成長の足かせになることは避けられない。
更に、何年もの間デフレーションに見舞われていた日本では、平均賃金は大して上がらず、また、少子高齢化社会のために経済活動は減速し、企業の設備投資意欲も削がれてしまっている。
何人かの経済アナリストは、日本が技術革新を促進せず、また旧態依然の官僚主義で縛られて成長が制限された新規事業を十分支援してきていないことから、日本の競争力は失われつつあると批評している。
また、円が対米ドル約133円と、20年振りに最安値となっていることも懸念されるとする。
これに対して、岸田文雄首相(64歳)は、“新資本主義”推進の掛け声とともに、ディジタル化促進、国防費増、新規事業着手、持続可能エネルギー強化等によって、成長と分配に好循環を生み出すと訴えている。
更に同首相は先月初め、ロンドン訪問時の演説で、“岸田に投資を”と英語で表現し、日本への投資促進を訴えている。
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