7月25日付
『YAHOOスポーツ』、
『フランス24』(AFP通信引用)は「東京オリンピック建設で労働者の安全に疑問符」との見出しで以下のように報道している。
東京オリンピックへの準備が最終段階に入り、当局は進捗に自信をのぞかせるが、活動家、労働者団体は急速な会場建設は危険な結果となるとしている。開会式が1年先に迫り、建設予定地の半分以上がほぼ完成したと小池東京都知事は自信ありげに記者に語る。
だが都は建設現場の数千の労働者の健康と安全に配慮を欠いたスケジュールを進めたと主張するものもいる。公式報告によると、少なくともオリンピック関連建設により2人が死亡している。2017年23歳の競技場担当者が1ヶ月200時間以上の残業の後に自殺し、労働当局は残業との関連性を認めこれを“過労死”と認定している。その翌年にも労働者がクレーンと足場に挟まれ圧死。2018年末までの当局の統計によると建設中の事故で14人が負傷している。
2012年のロンドンオリンピックではほぼ完全な安全性が保たれていたが、東京はそれでも他のオリンピック主催地よりはかなりましな状況である。リオ五輪では、少なくとも11人が建設中に死亡、北京では少なくとも6人死亡(メディアは10人以上と報道)。
東京の労働者は、労働力不足と厳しいスケジュール、この2つに縛られているという。オリンピック村の建設下請け会社の60歳代のベテラン従業員は、「仕事は厳しい」と明かす。人員が40%不足しており、期日通りに工事を進めるプレッシャーにより、安全管理が置き去りにされているという。例えばクレーンのアームが動きコンクリートが頭上に来た時にも仕事を続けていたという。また自動車組み立てラインに立て続けて仕事があり、安全笛が鳴っても動けず、作業の遅れへの心配から休めば危険が増すだけなのだ。休んだのは安全監督者が来た時だけだという。
労働組合はオリンピック建設の問題は、日本の産業問題を映し出すものだとする。劣悪な環境から労働者を守る力が更に弱い、複数の下請けを使う構造である。週6日勤務が通常で、高齢化社会での労働者不足により労働者は先細る。日本の建設業界の4人に1人は60歳以上で、30歳未満を大きく上回る。政府の努力にもかかわらず、他業種の長時間労働問題も問題である。
閉じる