【Globali】
北米メディア;G-20財務相・中央銀行総裁会議の結果は?(2015/10/13)
9月9日付「G-20財務相・中央銀行総裁会議での協調は?」の中で、“G-20会議の共同声明では、世界の経済成長は当初の期待値を下回っているが、景気回復は早晩期待できるとした。また、中国の経済成長の鈍化や、突然の人民元切り下げによる輸出振興政策への懸念表明がなされ、各国とも通貨安競争の自制について確認した”と報じた。そして、10月9日付「国際通貨基金(IMF)が世界経済成長率を再び下方修正」で触れたとおり、IMFが、2015年通年の世界経済成長率を、2008年の世界金融危機以来最低の3.1%に▼0.2%下方修正したと発表したが、その直後に開催された、G-20財務相・中央銀行総裁会議の結果について、北米メディアが伝えた。
10月9日付
『ダウ・ジョーンズ・ビジネス・ニュース』(米国)は、「ドラギ総裁、欧州と米国の金融政策は基本的に異なる道筋」との見出しで、「欧州中央銀行のマリオ・ドラギ総裁は10月9日、リマ(ペルー)で開催された、G-20財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見で、特に新興国における経済成長減速下にあって、欧州と米国が取るべき金融政策は基本的に異なると述べた。米経済の回復は目覚ましく、世界金融危機以来ほぼ7年続いているゼロ金利政策をいつ見直すかという状態にあるのに対して、欧州経済の回復状況は非常に緩やかで、依然マイナス成長に陥るリスクがあるからである。...
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10月9日付
『ダウ・ジョーンズ・ビジネス・ニュース』(米国)は、「ドラギ総裁、欧州と米国の金融政策は基本的に異なる道筋」との見出しで、「欧州中央銀行のマリオ・ドラギ総裁は10月9日、リマ(ペルー)で開催された、G-20財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見で、特に新興国における経済成長減速下にあって、欧州と米国が取るべき金融政策は基本的に異なると述べた。米経済の回復は目覚ましく、世界金融危機以来ほぼ7年続いているゼロ金利政策をいつ見直すかという状態にあるのに対して、欧州経済の回復状況は非常に緩やかで、依然マイナス成長に陥るリスクがあるからである。そして、2%のインフレーション達成のため、目下2016年9月までとしている、“月額600億ユーロ(約8兆円)の金融資産購入プログラム”の景気刺激策を更に期限延長することを検討している。」と報じた。
一方、10月8日付
『ロイター通信』(カナダ)は、「G-20の中央銀行、新常態にある世界金融政策に過ちは許されず」との見出しで、「新興国が資源安に喘ぎ、中国の経済成長も減速する中にあって、G-20の中央銀行にとっては、今後取るべき金融政策について少しの間違いも許されないと、IMFを交えたG-20会議で表明された。IMFのクリスティーヌ・ラガルド専務理事は、2008年の世界金融危機後、国際金融政策で合計7兆ドル(約840兆円)の量的緩和策が実施されたが、世界の経済状況は“新常態”と呼ばれる低成長に入っていると述べ、特に米国、日本、欧州の中央銀行に対して、金融引き締め政策に移行する前に、景気回復の兆候がもっと強く表れるまで待つよう求めた。」と伝えた。
ラガルド専務理事の求めに応えるまでもなく、日本の景気対策としては、10月6~7日開催の日本銀行の金融政策決定会合では、現下の金融緩和策の継続を決定せざるを得ない状況であった。
一方、同専務理事から、経済成長が減速しているも、対応可能だと評価されている中国は、G-20会議後にリマで開かれた国際通貨金融委員会(IMFC、IMFの諮問機関)において、金融危機時に対応するIMFの準備資産(特別引出し権、SDR)の基準通貨として、人民元を採用するよう求めたが、欧州勢からこれを容認する表明を受けている。なお、最終的には、SDR見直しに関連した人民元の評価作業を実施した後、IMFの11月の理事会で判断される。
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