アメリカではグーグルをはじめ数社のコンピュータ制御された自動運転車が既に街中を走り実験が行われている。自動車事故の多くは不注意や居眠りなどの人的ミスとされるため、自動運転の最大のメリットは事故防止だと言われている。長距離バス、トラック、また高齢ドライバーの事故防止にも期待出来そうである。しかし技術革新という以上に社会、経済にも大きく影響するため慎重に扱う必要がある。
2月22日付米
『NPRニュース』は、「次に自動運転車に何が必要?」との見出しで次のように報道している。
・コンピュータに運転を任せるかとの質問に正確で障害がないのならと答える人に対して自分で運転したい、運転を楽しみたいと答える人もいる。ミシガン大学の調査によると、9割のアメリカ人は自動運転車に懸念を抱いているという。
・米運輸長官アンソニー・フォックス氏へのインタビューによると、自動または接続された車により事故は8割減らせるという。...
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2月22日付米
『NPRニュース』は、「次に自動運転車に何が必要?」との見出しで次のように報道している。
・コンピュータに運転を任せるかとの質問に正確で障害がないのならと答える人に対して自分で運転したい、運転を楽しみたいと答える人もいる。ミシガン大学の調査によると、9割のアメリカ人は自動運転車に懸念を抱いているという。
・米運輸長官アンソニー・フォックス氏へのインタビューによると、自動または接続された車により事故は8割減らせるという。
・カリフォルニアの自動車省では自動運転車への免許所持者の同乗の義務付けが検討されている。
・米運輸省が懸念していることは自動運転機能が自動車にある場合、運転免許証を付与するための講習をどのように行うか。
・運転者の安全基準に従って運転されている車を標準としている現在に対し、技術革新に伴い政府がどう先手を打っていくかが問われる。
同日付英
『Phys.org』は、「自動運転車は革命に違いないが良い側面だけでない」との見出しで次のように報道している。
・自動運転技術は、単に技術的装置でなく経済と社会に変化をもたらすものである。自動運転の影響を研究した南イリノイ州立大学の教授は「よい結果をもたらすとは限らない」という。
・良い面で、まずは事故の減少が期待できる。米国における9割以上の交通事故が運転手の過失によるものであり、人間のように注意散漫にならず、大幅に安全運転となる。周りの状況を繊細なセンサーでリアルタイムに感知できる。
・半自動運転車と呼ばれる車でも、ブレーキや車線維持機能がついていており、事故を減らし多くの命を救うことができる。
・また渋滞を減らし、車の流れをスムーズにする。センサーと素早い反応時間で、車間距離も人の運転より短くなると専門家はいう。
・また、事故の可能性が低くなるので車体は軽く出来るため燃費も向上する。渋滞が減れば大気汚染、温室効果ガス排出も減らすことが出来る。ロボットの運転手に車のキーを渡すことで乗車する人は運転中仕事をしてもよく、くつろぐことも可能になる。
・米ユーバー株式会社(タクシー配車システム)等の企業は、一定地域で個人限定のサービスへの利用を模索しており、高齢の為運転できなくなった人や障害のある人、マイカーを所有出来ない人を対象とする。
・しかし、欠点もある。事故の減少だけみると、それに関わる分野、整備工場、車の保険、病院の救急。車の運転で生計を立てていた人、タクシー、トラック、バスの運転手などの失業につながる。
・一方で意図しない影響として、車の渋滞の負担感か減るためより多くの人が車通勤するようになり逆説的に大気汚染と渋滞を加速させるかもしれない。休暇には、多くの人が車で長距離旅行に出かけるようになるかもしれない。様々な観点から影響を予測することが重要である。
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