この引下げにより、フランスの義務教育開始年齢はヨーロッパで最年少となる。しかし、実際には少数の子供にしか影響を及ぼさないとみられている。なぜならば、フランス人の大多数が3歳で子供を学校に登校させることをすでに選択しているためである。
教育庁の統計によると、3歳で就学していないのは子供の2.4%(約2~3万人)に過ぎない。
フランス国内の貧しい地域や海外領土では、早い時期に子供を学校に通わせない現状があり、マカロン大統領は教育の不平等を減らすことを意図している。...
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この引下げにより、フランスの義務教育開始年齢はヨーロッパで最年少となる。しかし、実際には少数の子供にしか影響を及ぼさないとみられている。なぜならば、フランス人の大多数が3歳で子供を学校に登校させることをすでに選択しているためである。
教育庁の統計によると、3歳で就学していないのは子供の2.4%(約2~3万人)に過ぎない。
フランス国内の貧しい地域や海外領土では、早い時期に子供を学校に通わせない現状があり、マカロン大統領は教育の不平等を減らすことを意図している。「2019年の9月より実施するが、義務化が格差を是正してくれることを願っている。」とマクロン大統領は27日、幼児教育について話し合う会議で発言した。
大統領官邸は「この決定は、学校を真の意味で平等な場とする。幼稚園が単に一日を過ごしたり小学校への準備をしたりするところではなく、真の学校として言語習得や発達に焦点をあてた場としてみなされるべきとの大統領の願いを反映している。」と説明している。
パリでは、3歳の93%が就学しているが、一部の海外領土では就学率ははるかに低いと、ル・モンド紙は指摘する。
大統領は、幼児教育を「フランスの教育制度において重要な時期と位置付ける」ことを約束した。任期中、教育を優先事項の一つに挙げた大統領は、精神神経科医を起用し、教育庁とも連携して幼児教育改革に取り組む。
ヨーロッパ諸国の就学開始年齢は以下のとおり。
4歳:北アイルランド
5歳:キプロス、イングランド、マルタ、スコットランド、ウェールズ
6歳:オーストリア、ベルギー、クロアチア、チェコ共和国、デンマーク、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、アイルランド、イタリア、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スイス、トルコ
7歳:ブルガリア、エストニア、フィンランド、ラトビア、リトアニア、ポーランド、セルビア、スウェーデン
出典:英国国立教育研究財団
子供たちが正式な学校教育を始める時期については多くの議論がある。
2015年に発表された全米経済研究所(NBER)の調査によると、遅い年齢で学校に通い始めた子供たちは、授業で不注意で過活動的である可能性が低かった。
フィンランド、ポーランド、エストニア(最も学業で成功を収めたヨーロッパ諸国のうちの3国)では、就学開始年齢は7歳である。ただしこれらの国々でも、通常、幼稚園での遊びやゲームを通じて子供たちが学んでいる。1クラスあたりの人数も一般に小さい。
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事の発端は、2月末から3月頭にかけて仏で開催された国際農業見本市でのマクロン大統領の発言。大統領は「昼食と夕食にワインを飲む」ことを告白し、自分が大統領である間は、アルコール飲料の広告に規制を課す「エヴァン(Evin)法」を強化するための改正は行わないと宣言。さらには、国際農業見本市に来ているワイン生産者達の人々の手前、「若者達が強いアルコールやビールを一気に飲んで酔うのは健康問題であるが、(彼らは)ワインを飲んでいるのではない」と、記者団達に語った。
つい最近、保険大臣のアニエス・ビュザン(AgnèsBuzyn)氏が次のように発言した。「最近のワイン業界は、ワインは他のアルコールとは違うものであるかのように思わせようとしているが、健康の面から見れば、ワインを飲むことは、ビール、ウォッカ またはウィスキーを飲むことと全く同じである。」この発言に対し、国内のワイン生産者達から怒りの声が上がり、大統領のワイン頌歌は、それを和らげるためのものだった。ワイン生産地の人々をなだめるために、閣僚たちを各地に送り、ワインは特別であることを伝えまわった。しかし、今度は大統領の発言が医療関係者達から攻撃の的となっている。
仏ル・フィガロ紙に、第一線で活躍している9名の医者たちが、大統領に対し、「政府は一般の人々の利益よりもアルコールの利益に敏感であるように感じる」と反論している。
また仏ル・モンド紙でも、3人の科学者たちが、大統領が「毎日お昼と夜にワインを飲むことが社会的通念として通ること」のように発言していることや、「若者たちのアルコール依存症をアルコールの乱用によるものと話しているが、その中にワインを含めていない」ことは、国民の健康を考える時、問題であると書いている。
フランスでは、ワインはアルコール消費の60%を占めている。飲酒による年間死者数は49,000人で、飲酒が原因で様々な悲劇が引き起こされることが分かっている。家庭崩壊、暴力、病気、胎児性アルコール症候群は年間約8,000人。
またワインに含まれる体に良いとされている成分、ポリフェノールやレスベラトロールは、ブドウジュースにも含まれている。フランス人の成人10人に1人はお酒に弱い体質だとされているが、そういう人はブドウジュースを飲んで摂取することが出来る。そのため、健康上の問題を避けたいのであればワインを飲むことに特に利点があるわけではない、と科学者たちは述べている。
医療関係者や科学者達の結論は、「肝臓から見れば、ワインはアルコールである」ということだ。
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