9月に学校の新学期を迎えるアメリカでは、文房具やノートなどの学校用品に加え、防弾通学かばんの購入が増えているという。8月3日にテキサス州エルパソ、8月4日のオハイオ州デイトンと、先週末だけでもあわせて31人が犠牲になり、銃乱射事件が後を経たない。
『ハフィントン ポスト』によると、テキサス州オースティンにあるReadyToGoSurvival.comは、先週末以降売上が増加しているという。 同経営者のロマン・ズラジェフスキー(Roman Zrazhevskiy)さんは、「ヒューストン・クロニクル」紙に、通常は月に100個のバックパックを販売しているのに対し最近は300個販売していると語った。またいわゆる「サバイバル」タイプではなくごく普通の一般家庭からの注文が増えていると付け加えた。
他にも多くの会社が、緊急時に盾として使用できる学生向け防弾カバンを製造し、店頭で販売している。このタイプのカバンは、通常100ドルから200ドル(10,612円から21,224円)の間で販売されている。 ただし、発砲事件が発生した場合、防弾カバンは身体の25%しか保護しないと言われており、また、多くの学校ではまだ持ち込みは容認されていない、という問題がある。
しかし、防弾服、携帯可能の防弾カバー、防弾プレートなど、米国では様々な防弾用製品が、大量殺害事件を背景に子供向けに販売されている。
反面『New York Times』によると、過去には、自社の防弾カバンが、装備調達基準として国立司法省研究所( National Institute of Justice)が制定した規格である「NIJ規格」に認定されていると企業が虚偽の宣伝をしているという批判がなされてきた。実際にはこうした防弾用具は、NIJ規格の認証テストの対象には一切なっていない。
また、アメリカで草の根活動を通して銃規制を求めている団体「Moms Demand Action(母親たちは行動を求める)」の創設者シャノン・ワッツ(Shannon Watts)さんのように「私たちは、議員たちが銃のロビーに立ち向かうことを恐れているので、子供たちに銃器に立ち向かうよう求めているのです」と述べ、 「この国には恐れていない親はいません。 こうした企業はそれを利用しているのです。」と主張する人たちもいる。
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