世界の先進国において女子大学が多く存在しているのは、多くの国において大学進学の門戸が女性にとって限られたものであったことが関係している。日本においても旧学制時代に女子が大学(旧制大学)へ入学できるのは例外的にしか認められなかったため、事実上女子に門戸が閉ざされていた。そのため、多くの女子は東京女子高等師範学校(現在のお茶の水女子大学)や旧制女子専門学校のような女子を専門とした教育機関へ進学していた。それは男女不平等の長い歴史を持つ韓国も同様で、高等学歴を望む女子に門戸を開いた同国の梨花女子大(イファ・ヨジャデ、1945年創立)が、現在では世界最大規模の学生数を誇る女子大となっている。その卒業生と現総長がシアトル(ワシントン州)で大規模同窓会を開催したと米メディアが報じている。
10月31日付
『ノースウェスト・アジアン・ウィークリィ』(シアトル在の週間紙):「世界最大規模の女子大の卒業生と現総長がシアトルで大同窓会」
10月26日の晩、シアトルのベルビュー・ヒルトン・ホテル内のホールに、イブニングドレスを着飾った多くの女性が集まった。
男性はほんの僅かしかおらず、一方、その女性らはまるで親姉妹・親戚のように親しく歓談している。
しかし、彼女らは姉妹・親戚ではなく、ソウル中西部にある梨花女子大の卒業生らである。...
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10月31日付
『ノースウェスト・アジアン・ウィークリィ』(シアトル在の週間紙):「世界最大規模の女子大の卒業生と現総長がシアトルで大同窓会」
10月26日の晩、シアトルのベルビュー・ヒルトン・ホテル内のホールに、イブニングドレスを着飾った多くの女性が集まった。
男性はほんの僅かしかおらず、一方、その女性らはまるで親姉妹・親戚のように親しく歓談している。
しかし、彼女らは姉妹・親戚ではなく、ソウル中西部にある梨花女子大の卒業生らである。
同夜、同大現総長の金惠淑(キム・ヒェスク、64歳)氏を囲んで、北米在住の同大卒業生が一堂に会する大同窓会が開かれた次第である。
同女子大は学生数2万人を誇り、世界最大規模の女子大となっている。
同女子大は81以上もの学舎を保有し、更に増える傾向にあって、グーグルマップで検索すれば、同大だけでひとつの街を形成しているようにみられるであろう。
米国最大の女子大が、米東部マサチューセッツ州のウェルズリー大(1870年創立。著名卒業生にヒラリー・クリントン元国務長官ら)で、学生数が2千人であることから、梨花女子大の規模の大きさは計り知れない。
同女子大の前身は、1886年にメソジスト派宣教師のメアリー・スクラントンが女子教育の塾として開校したものだが、最初の生徒は僅か1名であった。
その背景には、韓国の伝統的な家父長制があり、その下では女性は名を持つどころか、家からも自由に外出できない状態であった。
そこで、同大学では前世紀から、“女性解放”を旗印として女性のための教育の充実化に努めてきた。
一方、同同窓会に招かれたワシントン大学(1861年創立のワシントン州立大学)のドナルド・ヘルマン教授は、同大学と梨花女子大の交換留学生制度等の相互協力関係構築を評価した。
また、同大学の韓国関係研究センターのクラーク・ソレンセン教授は、金総長は、“女性教育の国際化にとって重要な役割を果たす、世界大使のような存在”だと称賛した。
なお、金総長は、梨花女子大で三十年余りにわたり哲学教授として教鞭をとっていて、2017年、教職員はもとより学生からも57%以上の支持票を獲得して総長に就任している。
(参考)日本の女子大の学生数(2018年度);①武庫川 8,182、②大妻 6,782、③東京家政 6,439、④同志社女子 6,368、⑤日本女子 6,357
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