アメリカでは火星でたった一人で生きるために格闘する宇宙飛行士の映画が来年公開予定で話題を呼んでいる。最近では火星に水が流れていたとの報告もなされ、赤い星が注目を集めいてる。そんな中、NASAが2030年までに人類を火星に送り込む計画を発表した。各メディアは以下のように報じている。
10月13日付
『ニューヨーク・デイリーニュース』はNASAが人類を火星に送り込むことを真剣に検討していることを伝えている。今回発表された「NASAの火星への道のり」と題された計画書の中で、NASAは2030年までに人類を火星に送るつもりだという。計画書によれば、NASAは今後2~30年のうちに地球以外の星に人類の、一時的ではなくより長期にわたる滞在を実現する意向であるという。
同計画書は3つのパートから構成されている。まず一つ目は「地球依存段階」である。この段階では国際宇宙ステーションでの宇宙飛行士の滞在が中心であり、宇宙に長期滞在することに伴う効果や影響を探るという。
次に第二段階であるが、第一段階で集められたデータをもとに、「検証段階」に入るという。これは月周辺でのミッションが中心であり、宇宙飛行士が数日程度で地球に帰還できる範囲内でどの程度複合的な職務が遂行できるかを探るものだという。
そしていよいよ最後の段階「地球独立段階」に入ると、今度は宇宙飛行士を火星の周囲を回る衛星に送るという。これに成功すれば次は火星本体に着陸・探索し地球に帰還するというものだ。NASAによると、「この計画が実現すれば現在はロボットでしか行えなかった様々な事が成しえ、科学的・技術的に飛躍的な進歩が望める」という。「この火星計画はNASAとそのパートナーの協力関係によってこそなし得るものである。単なる一時的な滞在から長期滞在という、人類の活動範囲の拡大を地球全体で進めていくものである」。
10月12日付
『ヤフーニュース』によると、前述の第一段階については、NASAではすでにスペース・ローンチ・システムという大型ロケット打ち上げ計画が進行中であるという。このロケットは全長382フィート(約116メートル)で、かつてアポロ計画等で打ち上げられたサターンVを凌ぐ最大級のロケットであり、130トンもの積載量であるという。この大型ロケットは2017年頃の完成を予定しているという。
また、計画の第二段階の一部として2020年に小惑星捕獲計画が実施されていることも紹介されている。同計画ではロボットが地球周辺の小惑星から巨大な石を回収した後、月近くの実験場まで運搬し宇宙飛行士が石を分析・採集するというものだ。また第二段階では長期滞在に耐えうるだけの施設の開発も行われるという。
そして最終段階での実際の長期滞在であるが、より踏み込んだ表現をすると「日常的なメンテナンスのみで人間が数年間生存できるような環境」であるという。このような環境実現のためには火星の天然資源の利用が不可欠であり、燃料や水、そして建材の確保が火星でなされることが必要だという。さらには「20分の時差しかない」地球との連絡手段の確保も重要だという。
自分の住所を「地球」から書き始める日が来るかもしれない。
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