イスラエル
『イェシヴァ・ワールド』によると、オムリ・ゴレン(ゴロチョフスキー)容疑者とその妻は、長年ガンツ国防相の自宅の掃除員として働いていた。先月、イスラエルのメディアが、イラン系の「ブラックシャドー」グループが行ったイスラエルへのサイバー攻撃について報道したことをきっかけに、ゴレン容疑者は同グループに連絡を取り、国防相の自宅から情報を提供することを提案した。
ゴレン容疑者は身分を偽ってブラックシャドーと接触し、金銭的な報酬の対価として情報提供することを提案した。...
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イスラエル
『イェシヴァ・ワールド』によると、オムリ・ゴレン(ゴロチョフスキー)容疑者とその妻は、長年ガンツ国防相の自宅の掃除員として働いていた。先月、イスラエルのメディアが、イラン系の「ブラックシャドー」グループが行ったイスラエルへのサイバー攻撃について報道したことをきっかけに、ゴレン容疑者は同グループに連絡を取り、国防相の自宅から情報を提供することを提案した。
ゴレン容疑者は身分を偽ってブラックシャドーと接触し、金銭的な報酬の対価として情報提供することを提案した。ゴレン容疑者は、自分が本気であることを見せるために、国防大臣の自宅にある机、パソコン、電話、タブレット、イスラエル国防軍の所属情報とシリアル番号が書かれた箱、IPアドレスの書かれたシールが貼られている荷物や、ガンツ国防相とその家族の写真などを写真に撮り、ブラックシャドー宛に送った。
シンベトは、この容疑者が「いかなる機密情報にも接していなかったため、彼が接触した相手には何も伝わっていない」と報告している。
しかし、ゴレン容疑者は、2件の銀行強盗、強盗、窃盗、不法侵入など5件の有罪判決と14件の罪状を含む豊富な犯罪歴があり、4回の実刑判決を受けている。こうした犯罪歴が、防衛大臣の自宅のような機密性の高い職場で働くための身元調査をどのようにして通過したのか疑問が持たれている。シンベトは、今回の事件を受けて、大臣宅で働く労働者の身元調査の手順を内部的に見直すことを表明している。
『エルサレムポスト』は、シンベトは、ゴレン容疑者は採用時の身元調査で引っかからなかったと述べているが、グーグルで検索するだけで、これまでの犯罪歴がすぐに確認できたと伝えている。
身元調査を通過で来た理由として、ゴレン容疑者が、ガンツ氏が国防相に就任する数年前から、ガンツ氏やその関係者の下で働いていたため、徹底した審査を省略することができたことがあげられる。国防相就任後に採用されたスタッフよりも、はるかに簡単なセキュリティチェックを受けて、引き続きガンツの下で働くことができたと見られている。
ゴレン容疑者の弁護士や家族の一部は、ゴレン容疑者はお金に困っている愚かな常習犯であり、イランのためのスパイ活動をするような思想も能力もないと庇護している。
なお、防衛大臣がスパイ行為の標的にされたのは今回が初めてではないため、ガンツ国防相に対する批判の声も上がっている。国防相の携帯電話は2019年3月に、イランと関連していると思われる組織によってハッキングされた。シンベトはガンツ氏に対し、携帯電話内の情報がイスラエルに敵対するグループによって侵害されたと考える必要があると伝えたが、当時、携帯電話内に機密情報はなかったとされている。
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