白山神社と白山公園の紫陽花(第26回)
6月17日、その日は梅雨には似合わない晴天の日であった。...
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6月17日、その日は梅雨には似合わない晴天の日であった。
温度も27℃まで上がったが、それほどには蒸し暑さは感じなかった。
午後2時ごろ、都営三田線の「白山」駅で降りると、そこは白山神社の参道になっていて、多くの人々が神社の方に向かって、歩いていた。
神社の鳥居の手前にはもう紫陽花が咲いていた。よく見るととあるマンションのエントランスになっていた。
鳥居をくぐると、紫陽花よりも群衆の方が目に入ってきた。
小さな境内の中の中央には、ステージがこしらえてあり、露天も所狭しと並んでいた。
その縁に、紫陽花の花が、綺麗に咲き揃っていた。
「それにしても、これだけしか咲いていないのか」と落胆していると、ある露天商の親爺が「そこから小道を抜けると白山公園に行けるよ」と教えてくれた。
それに従って、行くと確かにもう一つの紫陽花を楽しめる空間が目の間に広がってきた。
更に、歩を進めると、紫陽花が咲く小山が見えてきた。
そこには、人が長い列を作って並んでいた。
その列に並び、少しづつ先に進むと、小山に咲く紫陽花に囲まれた小道を進んで行くことができた。
くっきりと、色鮮やかな紫を基調にした紫陽花の中に、白や黄色と言った様々な色彩の花を観賞しながら、てっぺんの鳥居をこぐった。
多くの人たちは、何らかの方法で、スマホをかざし、それらの花の形を収めていた。
少しずつ山を下りると、神社の鳥居に戻ってきた。
中央のステージでは、和太鼓の演奏が開始され、大音響の中、若い人々が、懸命に叩いていた。
参道を駅の方角に戻ると、多くの人々とすれ違った。
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小石川後楽園の花菖蒲を観に行く(第25回)
6月3日、その日の空は、真っ青で、白い雲が時折流れていた。...
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6月3日、その日の空は、真っ青で、白い雲が時折流れていた。
14時ごろ、その公園に着くと、早速入場料を払い中に入った。
松の間から、池が見え、代々の水戸徳川家が磨いてきた庭園の様子が、周辺の近代的建築物に囲まれて浮かんでいた。
置物のように見えた、白鳥が急に動き出したのには、少し驚いたが、大都会の中に、今も静謐を保った日本庭園の優美さに、別世界に誘われた気がした。
仮設の橋を渡ると、菖蒲の花々が見えてきた。
規模は小さいが、稲田を伴って、水を湛えた菖蒲園が広がっていた。
それほど種類は無いが、白や紫の花々が彼処に咲いていた。
この庭園には、中国や京都の風光を模写した見どころがあちらこちらにあり、加えて水戸偕楽園所縁の梅の木もあった。
少し奥に入ると、木々が茂り、大柄の石が坂道を埋めていた。
間から入る木漏れ日が、この公園の静けさを呼んでいるように感じた。
行きかう人々は、日本人だけではなく、中国人や欧米人も沢山いた。
皆、日本庭園の雰囲気を楽しんでいるものと思われた。
ふと気が付くと、隣にあると思われる「東京ドーム」から時折、大きな歓声が聞こえた。
そうか、野球の試合をやっているのかと思った。
なんと言ってもこの公園の中心は、この大きな池だろうと感じた。
処によっては、蓮の葉が、広く群生していた。
1時間ぐらいであろうか、額に汗が滲む頃、出口にやってきた。
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有楽町から土曜日の日比谷公園へ(第24回)
5月27日、その日午後2時ごろJR有楽町の駅を出て、電気ビルの横を真っ直ぐ日比谷通りに向かった。...
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5月27日、その日午後2時ごろJR有楽町の駅を出て、電気ビルの横を真っ直ぐ日比谷通りに向かった。
日差しは強く、日比谷交差点の様に遮るものがない場所は、特に熱く感じた。
日比谷公園に入ると、白と紫のスミレの花が咲いていた。そこから道が2つに分かれていたので、坂を上る道を初めて通った。
江戸城の石垣が残っており、狭い道にベンチが並んでいくつも置いてあった。
高台から下を見ると、池のように水が溜まった場所を石や木々が取り囲んでいた。
初夏のような熱い日差しの日には、涼しげで過ごしやすい場所であった。
その高台から降りて、歩くと赤いサツキの花が咲いていた。
その向こうには、赤いバラのような赤い花が咲いていた。良く整理された花壇を見ながら歩いていると、松本楼についた。
その庭は、結婚式に備えて、赤い絨毯と青い花のアーチが用意されていた。
少し、騒がしい人声が聞こえたので、その方に歩いてゆくと、野外公会堂に特設の大規模な屋外ビヤーガーデンが出来ていた。
ちょっと見たところ、数百人がぎっしりと集まり、歓談していた。
東京の中心にこんなオアシスみたいなところがあるのが、この都市の魅力でもあるのかなあと改めて感慨に浸った。
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