COP25閉幕・「パリ協定」ルール合意できず(12月16日)
COP25はきのう会議の成果となる文書を全会一致で採択した。
会期を延長して続けられた交渉、成果文書には各国の削減目標はそれぞれの国の事情に応じて現在よりも前進させ、可能な限り高い野心を示すことや、気候変動の緊急性を踏まえ、来年を1つの機会として温暖化対策を可能な限り強化することを促すことが盛り込まれている。
「国の事情に応じて」や「可能な限り」という表現が使われていて、削減目標を引き上げることを明確にするべきだと主張する国とそれぞれの判断に委ねられるべきだとする国と双方に配慮した形になっている。...
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COP25はきのう会議の成果となる文書を全会一致で採択した。
会期を延長して続けられた交渉、成果文書には各国の削減目標はそれぞれの国の事情に応じて現在よりも前進させ、可能な限り高い野心を示すことや、気候変動の緊急性を踏まえ、来年を1つの機会として温暖化対策を可能な限り強化することを促すことが盛り込まれている。
「国の事情に応じて」や「可能な限り」という表現が使われていて、削減目標を引き上げることを明確にするべきだと主張する国とそれぞれの判断に委ねられるべきだとする国と双方に配慮した形になっている。
一方で、温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」の実施に必要なルールの一部については合意できず、来年の会議に先送りされることになった。
これによって、「パリ協定」はルールの一部が決まらない状態で課題を抱えたまま始まることになる。
また日本にとっては石炭火力発電の利用について小泉環境相が具体的に言及せず、各国から残念だとの声が聞かれ、石炭火力発電を維持しながらどう脱炭素社会を実現するのか宿題は残っている形となった。
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温暖化が広げる格差“気候アパルトヘイト”(12月15日)
世界各地で相次ぐハリケーンや洪水などの災害。温暖化との関連も指摘され、対策を求める声が高まっている。スペインで行われている国連の温暖化対策会議・COP25で、危機感を強める世界の若者たちも声を上げた。
そこで注目されたのは「アパルトヘイト」というキーワードで、アパルトヘイトという言葉は、国連が出した報告書「Climate change and poverty(気候変動と貧
困)」で使われ注目を集めたもの。...
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世界各地で相次ぐハリケーンや洪水などの災害。温暖化との関連も指摘され、対策を求める声が高まっている。スペインで行われている国連の温暖化対策会議・COP25で、危機感を強める世界の若者たちも声を上げた。
そこで注目されたのは「アパルトヘイト」というキーワードで、アパルトヘイトという言葉は、国連が出した報告書「Climate change and poverty(気候変動と貧
困)」で使われ注目を集めたもの。温暖化が貧困を生み、格差を広げていると指摘していて、このままでは人種差別と同じような事態になりかねないと強い危機感を表したことば。途上国だけでなく、先進国でも強く意識されるようになってきている。
温暖化との関連が指摘されている、ハリケーンや山火事に相次いで見舞われた米国ではプライベートの消防隊が富裕層の間で人気を集めている。
温暖化は経済活動によって引き起こされているのに、守られるのは富裕層ばかりで、貧しい人々は放置されている。今、若者を中心にこうした格差の拡大に怒りの声が広がっている。
国連の専門家によると、こうした同じようなことはほかの国でも起きていると指摘した。
国連の報告書で最初に気候アパルトヘイトを指摘したニューヨーク大学のある教授は、再生可能エネルギーへの転換とともに、温暖化で被害を受けた人たちへの補償も必要だと指摘している。
日本の専門家は今後、こうした災害が繰り返されると、この気候アパルトヘイトを海外の話では済ますことができなくなると指摘した。
今後の防災のあり方についても、立ち直る力が十分でない人や、場所に関して予防策に尽力すべきだと話している。
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COP25・全体会合へ・交渉大きな山場(12月15日)
地球温暖化対策の国連の会議・COP25は会期延長から丸一日以上たち今も交渉が続いている。
COP25は13日に、会議の成果となる文書を採択して閉幕する予定だったが、温室効果ガスの削減目標を引き上げるよう各国に促す記述や来年から始まるパリ協定の実施に必要なルールの一部を巡って意見がまとまらず会期が延長された。
現地は会期延長から丸一日以上たつも交渉が続いている。議長国チリ・シュミット環境相は「不眠不休で疲れていると思うが、最後の努力が必要だ」と述べ、合意に向けて妥協点を探るよう改めて呼びかけた。...
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地球温暖化対策の国連の会議・COP25は会期延長から丸一日以上たち今も交渉が続いている。
COP25は13日に、会議の成果となる文書を採択して閉幕する予定だったが、温室効果ガスの削減目標を引き上げるよう各国に促す記述や来年から始まるパリ協定の実施に必要なルールの一部を巡って意見がまとまらず会期が延長された。
現地は会期延長から丸一日以上たつも交渉が続いている。議長国チリ・シュミット環境相は「不眠不休で疲れていると思うが、最後の努力が必要だ」と述べ、合意に向けて妥協点を探るよう改めて呼びかけた。
議長国はこれまでに目標の引き上げに関する記述について「各国の削減目標はそれぞれの国の事情に応じて現在よりも前進させ可能なかぎり高い野心を示すことや気候変動の緊急性を踏まえ、来年を1つの機会として温暖化対策を可能なかぎり強化することを促す」とする案を各国に示している。
このあと全体会合が開かれる予定で、合意にたどりつけるか交渉は大きな山場を迎えている。
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COP25・意見対立で会期延長・交渉続く(12月14日)
地球温暖化を話し合う国連の会議「COP25」は、温室効果ガスの削減目標の引き上げを巡り、意見が対立していて、会期を延長して交渉が続いている。
議長国・チリが会議の成果となる文書の案を各国に示したが、意見がまとまらなかった。
議長案では温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」が始まる来年を、対策レベルの引き上げ機会とすることを求める内容になっている。
これにたいして太平洋マーシャル諸島の代表が「今の議長案では納得できない。...
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地球温暖化を話し合う国連の会議「COP25」は、温室効果ガスの削減目標の引き上げを巡り、意見が対立していて、会期を延長して交渉が続いている。
議長国・チリが会議の成果となる文書の案を各国に示したが、意見がまとまらなかった。
議長案では温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」が始まる来年を、対策レベルの引き上げ機会とすることを求める内容になっている。
これにたいして太平洋マーシャル諸島の代表が「今の議長案では納得できない。来年目標を引き上げるということをはっきりと打ち出さないといけない」と述べた。
一方でインドの代表は「目標の引き上げは各国が決めることだ」と主張するなど、意見が対立している。
議長を務めるチリのシュミット環境相は合意に向けて結束を呼びかけ、新たな議長案を示し、妥協を探るものと見られている。
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国連会議「COP25」深刻な大気汚染の再現施設(12月8日)
スペインで開かれている地球温暖化対策を話し合う国連の会議・COP25の会場では、インドや中国などの都市の深刻な大気汚染を再現した施設が設けられ、化石燃料の利用が地球温暖化だけでなく健康被害も引き起こしうる実態を訴えている。
この施設は英国の環境団体が化石燃料の過剰な利用による大気汚染の実態を知ってもらおうとCOP25の会場の一角にテントを張って作ったものである。
中は5つの部屋に分かれ、自動車の排ガスや石炭火力発電所などから排出される大気汚染物質のPM2.5や二酸化窒素などの年間の平均値をもとに北京やロンドンなどの都市の大気が再現されている。...
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スペインで開かれている地球温暖化対策を話し合う国連の会議・COP25の会場では、インドや中国などの都市の深刻な大気汚染を再現した施設が設けられ、化石燃料の利用が地球温暖化だけでなく健康被害も引き起こしうる実態を訴えている。
この施設は英国の環境団体が化石燃料の過剰な利用による大気汚染の実態を知ってもらおうとCOP25の会場の一角にテントを張って作ったものである。
中は5つの部屋に分かれ、自動車の排ガスや石炭火力発電所などから排出される大気汚染物質のPM2.5や二酸化窒素などの年間の平均値をもとに北京やロンドンなどの都市の大気が再現されている。
このうち大気汚染が世界で最も深刻とされているインドのニューデリーを再現した部屋は全体が白い煙のようなものに包まれ、訪れた人たちが息苦しさや見通しの悪さを体験していた。
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