オールスター投票中間発表&交流戦のルール変更(5月28日)
“夢の球宴”プロ野球オールスターゲームのファン投票の第1回中間発表が行われた。今季大型移籍を果たした注目選手から期待の若手まで多彩な顔ぶれが上位を占めている。
ここまでの最多得票はライオンズの山川穂高。パリーグの一塁手部門で2位に5倍以上の差をつける22,811票を集めた。すでに43試合目で20本塁打を放っているが、2年連続の両リーグ20号一番乗りは16年ぶりの記録である。球宴でもビッグアーチに期待したい。...
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“夢の球宴”プロ野球オールスターゲームのファン投票の第1回中間発表が行われた。今季大型移籍を果たした注目選手から期待の若手まで多彩な顔ぶれが上位を占めている。
ここまでの最多得票はライオンズの山川穂高。パリーグの一塁手部門で2位に5倍以上の差をつける22,811票を集めた。すでに43試合目で20本塁打を放っているが、2年連続の両リーグ20号一番乗りは16年ぶりの記録である。球宴でもビッグアーチに期待したい。一方、高卒プロ2年目でスワローズの主軸に育った村上宗隆もセリーグ三塁手部門でトップの支持を得ている。ここまで12本塁打36打点と大ブレイク中だ。新天地での活躍を見せている移籍組もファンからの評価が高い。イーグルスの浅村栄人は18,000近い票を獲得しており、今季もパ二塁手の1位は確実だろう。また、ジャイアンツにFA移籍した丸佳浩も外野手部門では元チームメイトの鈴木誠也に次いで2位となっている。再び二人の外野共演が見られそうだ。
今年のオールスターは7月12・13日に東京ドームと阪神甲子園球場で開催される。その前に来週からはセパ交流戦がスタートする。いまではオールスターか日本シリーズでしか実現しなかった「夢の対決」がシーズン中でも見られるようになった訳だが、その交流戦で今年から新たなルール変更が明らかになった。
NPB日本野球機構はこれまで11月のドラフト会議において、交流戦で勝ち越したリーグに与えていた2位以下の指名優先権を、今年から廃止すると決定したという。ご存知の通り日本のドラフト会議では1位指名が競合となった場合は抽選となるが、2位以下は成績の下位球団から優先指名できる「ウェーバー制」を導入している。最下位球団が最も有利になる仕組みで、この際のセ・パの優先順はその年の交流戦の結果で決まっていた。ちなみにそれ以前はオールスターゲームで勝ち越したリーグが優先権を得ていたが、これにはともすればお祭りムードになってしまうオールスターを真剣勝負の場にするためのカンフル剤的な側面があった。来年以降は一年おきにセパが交互に優先権を得る方式に変わるのだという(今年はセリーグが優先)。セパ交流戦の対戦成績はこれまでパ球団がセ球団を圧倒しており、セが勝ち越したことは過去1度しかない。セリーグとしてはジャイアンツ戦やタイガース戦などのドル箱カードが減るうえに、ドラフトのウェーバーまでパに持っていかれ続けた訳だから正直不満もあったことだろう。そもそもMLBはドラフト1位から完全ウェーバー制だが、この方式は成績下位球団が有望選手を獲得するための仕組みである。今回の制度変更は小さな変更ではあるが、ドラフト制度を考える上では興味深い。
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令和初の大相撲、異例尽くしの十五日間(5月27日)
前頭・朝乃山の初優勝で幕を下ろした大相撲夏場所。三役経験の無い平幕力士の優勝は58年ぶりの快挙だが、富山県出身力士としては大正時代の横綱・太刀山以来実に103年ぶりの幕内優勝となった。地元富山では大フィーバーとなっていることだろう。そして、新たな時代の幕開けに相応しいニューヒーローの登場となったこの夏場所は、大相撲の歴史に残る様々な出来事のあった場所でもあった。
その最たるものは何といっても史上初の現職アメリカ大統領による観戦に相違ない。...
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前頭・朝乃山の初優勝で幕を下ろした大相撲夏場所。三役経験の無い平幕力士の優勝は58年ぶりの快挙だが、富山県出身力士としては大正時代の横綱・太刀山以来実に103年ぶりの幕内優勝となった。地元富山では大フィーバーとなっていることだろう。そして、新たな時代の幕開けに相応しいニューヒーローの登場となったこの夏場所は、大相撲の歴史に残る様々な出来事のあった場所でもあった。
その最たるものは何といっても史上初の現職アメリカ大統領による観戦に相違ない。令和初の国賓となったトランプ大統領のため、国技館では正面の升席最前列を緊急改装。特別の椅子席を設け、同大統領は安倍首相と共に千秋楽結びまでの五番を生観戦した。表彰式では新たに新設された「アメリカ合衆国大統領杯」を自ら授与。土俵に上がるための昇降台まで用意する破格のVⅠP待遇であった。ちなみにこの日本国内閣総理大臣杯よりも巨大な大統領杯は、来年以降も夏場所には優勝力士に贈呈されることとなっている。
大統領の観戦は朝乃山と御嶽海の取組からだったが、入場から着席までは数分間かかり、その間土俵の進行は中断。その影響があったかどうかはわからないが、朝乃山は御嶽海に一気に押し出され勝負は呆気なくついてしまった(もっともそれは御嶽海も同じ条件な訳で黒星の理由にはならないのだが…)ただ、前日に優勝が決まっていたとはいえ、千秋楽の結びの一番も含め「これより三役」の相撲がいずれも淡白な内容だったことは残念である。この日幕内前半では勝ち越しや三勝獲得がかかった熱戦が多かっただけに、上位力士にはもっと気迫あふれる土俵を見せてもらいかったと思うファンは少なくはないだろう。
その相撲の醍醐味ともいえる素晴らしい一番を見せてくれたのは幕内最軽量の新入幕・炎鵬だった。勝ち越しに王手をかけてから5連敗と後がなくなった炎鵬は、この日も自らの持てる全ての技を駆使して奮戦。二転三転する攻防の末、惜しくも同じく三場所ぶりの勝ち越しをかけ必死の闘志を見せた松鳳山に敗れた。勝負が決した後もしばらく顔を上げられなかったほど悔しさを露わにしていたが、花道のモニターで自身の相撲のVTRを確認すると炎鵬は思わず泣き崩れてしまった。この一番が地上波の放送時間に間に合わなかったのは返す返すももったいなかったが、まさに見る者の胸に迫る場面だった。ハンデをものともせず一番一番を必死に取り切ったその心意気はすべての力士の範となるものだ。特に今場所不甲斐ない結果に終わった上位の力士には見習ってもらいたいところである。
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久保建英、17歳でのフル代表初選出(5月24日)
SAMURAI BLUE異例の3階級特進だ。来月5日に豊田スタジアムで開催されるキリンチャレンジカップ2019の日本代表メンバーが発表された。今回最大の注目は何といってもフル代表初選出となった17歳のストライカー・久保建英だろう。
久保は現在Jリーグで首位を走るFC東京で開幕からスタメン出場。18日に行われた第12節・札幌戦でも得点を決め、出場2試合で連続ゴール中である。17歳11か月でのフル代表選出はJリーグ発足後では史上2番目の若さとなる。...
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SAMURAI BLUE異例の3階級特進だ。来月5日に豊田スタジアムで開催されるキリンチャレンジカップ2019の日本代表メンバーが発表された。今回最大の注目は何といってもフル代表初選出となった17歳のストライカー・久保建英だろう。
久保は現在Jリーグで首位を走るFC東京で開幕からスタメン出場。18日に行われた第12節・札幌戦でも得点を決め、出場2試合で連続ゴール中である。17歳11か月でのフル代表選出はJリーグ発足後では史上2番目の若さとなる。これまでも久保はその非凡な才能を早くから開花させ世界を驚かせてきた。わずか10歳で名門中の名門、スペイン・バルセロナの下部組織の入団テストに合格。世界的ビッグクラブの育成組織でプレーし、12歳以下のトーナメントでMVPを獲得するなどの活躍を見せた。2015年に入ると日本に帰国。FC東京のユースに入団を果たす。中学3年生ながらU-18に昇格すると2016年には15歳5か月でJ3の試合(長野戦)に出場。Jリーグ史上最年少出場記録を塗り替えた。久保は初の21世紀生まれのJリーガーでもある。一方で各年代の日本代表にも“飛び級“で招集され続けてきた。
「選ばれるとは全く思ってなかったので嬉しいですけど、びっくりしています(久保)」と心境を語ったが、今月7日に発表されたU-20W杯ポーランド大会(23日開幕)の代表メンバーの中に久保の名前が無かったことから、ほとんどのサッカーファンは彼のフル代表選出を確信していたに違いない。「相手の守備網を崩すことができる選手なので、代表でも発揮してほしい(森保一監督)」アンダーカテゴリーで彼の成長を見守り続けてきた指揮官の期待も大きい。ちなみにフル代表の史上最年少ゴール記録は金田喜稔の19歳と119日。久保は大会前日の6月4日に18歳の誕生日を迎える。大舞台のピッチで躍動するその雄姿を観るのが楽しみだ。
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8連勝の広島首位へ・山川穂高、故郷で豪快弾(5月22日)
コイの季節が終わらない。プロ野球はペナントレース40試合あまりを消化したところだが、セ・リーグでは広島カープが今季2度目の8連勝で12球団の25勝一番乗り。ついに首位に浮上した。
開幕スタートダッシュに失敗し4月にはまさかの最下位に沈んだ王者・カープ。開幕からの6カード連続勝ち越しなしという屈辱を味わった。4月16日の時点で最大借金は一時「8」にまで膨らんだが、そこから怒涛の8連勝で一気に勝率を5分に戻すと5月に入ってからは、ここまで13勝3敗1分けの快進撃で、勝率は何と8割1分を超えている。...
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コイの季節が終わらない。プロ野球はペナントレース40試合あまりを消化したところだが、セ・リーグでは広島カープが今季2度目の8連勝で12球団の25勝一番乗り。ついに首位に浮上した。
開幕スタートダッシュに失敗し4月にはまさかの最下位に沈んだ王者・カープ。開幕からの6カード連続勝ち越しなしという屈辱を味わった。4月16日の時点で最大借金は一時「8」にまで膨らんだが、そこから怒涛の8連勝で一気に勝率を5分に戻すと5月に入ってからは、ここまで13勝3敗1分けの快進撃で、勝率は何と8割1分を超えている。21日、三次でのドラゴンズ戦は先発・野村祐輔が7回3安打無失点の好投を見せ、1か月ぶりの勝ち星を挙げた。首位奪取にも緒方監督は「関係ないね」と冷静に試合を振り返る。来月からは交流戦がスタートするが、昨季はやや苦戦を強いられた(7勝11敗)だけにそれまでに出来るだけ貯金を積み増しておきたいところだろう。
一方のパ・リーグはソフトバンクホークスが10連休前から首位を独走中。だが、21日の那覇市での試合の主役はこの男だった。7回、ライオンズの山川穂高はソフトバンク4番手松田からレフトスタンドに3ランを叩き込んだ。両リーグで20号一番乗りの決勝打。43試合での20本塁打は日本新記録の60本を大きく上回るペースだ。地元那覇市出身の27歳は「打った瞬間鳥肌立った。野球人生で一番嬉しいホームラン」と地元ファンの大歓声に笑顔で応えた。沖縄出身選手が沖縄での公式戦で本塁打を放ったのは史上初のこと。V2を目指すレオ軍団浮上のきっかけになることができるだろうか。
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上原浩治、引退・貫き通した“反骨神と雑草魂”(5月21日)
「本日をもちまして21年間の現役生活を終えたいなと思います…」会見冒頭、そこまで挨拶を行うと、44歳の現役最年長投手は10数秒間言葉を詰まらせた。胸にこみ上げてくるのは20年余の現役生活への万感の思いだろうか。
20日、引退会見に臨んだジャイアンツの上原浩治。会場に向かう車中で民放局の独占取材に応じ「(ユニフォームを)永遠に着たいのは皆思うだろうし。脱ぐ時期が来たかなというだけ」と淡々と心境を明かしていたが、最後の挨拶で惜別の思いは抑えきれなかった。...
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「本日をもちまして21年間の現役生活を終えたいなと思います…」会見冒頭、そこまで挨拶を行うと、44歳の現役最年長投手は10数秒間言葉を詰まらせた。胸にこみ上げてくるのは20年余の現役生活への万感の思いだろうか。
20日、引退会見に臨んだジャイアンツの上原浩治。会場に向かう車中で民放局の独占取材に応じ「(ユニフォームを)永遠に着たいのは皆思うだろうし。脱ぐ時期が来たかなというだけ」と淡々と心境を明かしていたが、最後の挨拶で惜別の思いは抑えきれなかった。普段は軽妙な会話でメディア関係者の笑いを誘うが、内に秘めた「反骨心」は常に熱く燃えたぎっていたことをファンは皆知っている。
昨シーズン途中に日本球界に復帰。7月には日米通算で100勝、100セーブ、100ホールドの大記録を達成した。だが、オフに左膝を手術。シーズン開幕を2軍で迎えることとなり、その後もここまで1軍登板は果たせずにいた。「8月、9月の首位を争う時に、こういう会見をするのは違うと思った(上原)」高校時代までは無名。大学も推薦が得られず1年浪人して進学したことは有名だ。華々しい記録だけでなく、幾度も苦しい挫折を味わい、それを乗り越え続けた男の決断。シーズンの早い段階での引退は他の選手により多くチャンスを与えてほしいという、苦労を知る男だからこその美学故だった。
上原と言えば日本球界での華々しい活躍だけでなく、大学時代から国際試合での大舞台で勝負強さに定評があったのも忘れられない。2度の五輪出場、2006年WBC制覇のほか、レッドソックスの守護神を任された2013年には、ワールドシリーズで日本人初の胴上げ投手となった。今後の予定は白紙だと言うがその顔は晴れやかだ。「周りに感謝しながらの21年間だったので野球にも感謝している。本当に今は満足だけ」“雑草魂”を貫き通した男は誰にも真似できない大輪の花をマウンドに咲かせたのだった。
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