非常事態宣言下最後の日曜(その257)
5月24日、その日の午前10時ごろ、リハビリの為に先週と同じ市川駅脇のプロムナードで、杖をついてよたよたと歩いていた。...
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5月24日、その日の午前10時ごろ、リハビリの為に先週と同じ市川駅脇のプロムナードで、杖をついてよたよたと歩いていた。
そこには、3組ほどの2人連れが、木が植えられた円形のベンチに座って、会話をしていた。
気がついてみると、木々には5月の若葉と生命が宿り、緑が目に眩しかった。「ほー」と思い、おもわずスマホを向けていた。
気がついてみると、木々の生命が、息吹き、輝き、燃える一年の中でも最も美しいこの季節も、あと数日で終わろうとしていた。
思いがけないコロナ禍の為に、この季節も鬱々とした気分で過ぎている。しかも自分の身にも「ぎっくり腰」という災禍が襲い、灰色は更に濃いものになっている。
足腰のほうは、それでも少しづつ快方に向かっているが、明日明後日の非常事態宣言解除までに、自分の足で電車に乗り、江戸川を渡ることが可能であるかは、はなはだ疑問であった。
そんな焦りもあり、杖を突かずに、腰を立てて歩いてみた。「おお」少し歩けたが、直ぐに足腰の痛みが襲ってきた。まだまだ、普通に歩けるまでには時間がかかると感じた。
ふと見ると、先週まで、盛りにあったつつじの花の列も、花びらが散り始めていた。
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コロナ禍の中、ぎっくり腰に見舞われる(その256)
5月17日、その日数回にわたり、住まいの3階にあるプロムナードで杖をついて、200メートルほど、腰を曲げ『とぼとぼ』とリハビリの為歩いた。...
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5月17日、その日数回にわたり、住まいの3階にあるプロムナードで杖をついて、200メートルほど、腰を曲げ『とぼとぼ』とリハビリの為歩いた。
そこには、疎らに数組の家族が、フィジカルデスタンスを採って、小さな子供を中心に憩いの場を作っていた。
国や自治体は、「ステイホーム」と言うが、日曜日のひと時、部屋から出て、太陽の日に当たりたいという人々である。
コロナの襲来により、突如、日常生活を奪われた人々は、外の風に当たり、気分転換を何とかしようと模索している様であった。
私と言えば、そんな状況下で、突然「ぎっくり腰」に襲われ、2重の災難に見舞われていた。
とにかく、普通に立って歩けない状態にあった。
特に、右足のくるぶしや腰に強烈な痛みが走り、自然に腰が曲がってしまっていた。
杖を頼りに、腰を曲げて歩くしか方法がない状態であった。
プロムナードの脇には、100メートル程の間ツツジの赤紫の花が綺麗に咲いていた。
コロナの日本への第一波の攻撃は、日本人の日頃の清潔好きな習性のおかげで、奇跡的に事なきを得たが、秋から冬にかけての「第二波」の襲撃に備えて、様々な対策を講じておかなければならない状況にある。
南半球では、日本の夏の季節が冬の季節であり、コロナの蔓延期になる。秋から冬にかけて、コロナウイルスは、インフルエンザと一群となり、再び日本列島を襲う可能性が高い。
ここ1か月ほど、花園で安らぎを得ることが出来なかったが、今年はこのまま陰鬱とした日々がずっと続くのだろうか。
我々人間は、やはり自然と戯れたいと心の底から願っている。
更に、人間同士の触れ合いや戯れも楽しみたいと欲している。
ワクチンの早期実現を期待し、その日はプロムナードを後にした。
西の空には夕闇が迫っていた。
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つつじが咲き始めた市川の空中プロムナード(その255)
4月19日、その日の朝9時頃、自宅のベランダから東京方面を眺望すると、真っ青な空が広がり、東京スカイツリーがその中にくっきりと屹立していた。...
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4月19日、その日の朝9時頃、自宅のベランダから東京方面を眺望すると、真っ青な空が広がり、東京スカイツリーがその中にくっきりと屹立していた。
富士山の方角に目をやると、頂上は見えるのだが、その下は雲に隠れて見えることがなかった。
絶好のビデオ撮りのチャンスであったが、富士山付近だけが雲に邪魔され、今一つ絵にならなかった。
「残念」だなと思い、スカイツリーを中心にビデオを回していると、光に満ちた江戸川をモーターボートが数隻走っていた。
その動きを追ってゆくと、江戸川から東京湾にかけての眺望が拡がっていった。
東京湾には、貨物船と思われる何隻もの船が、浮かんでいた。
その向こうには、房総半島が広がって見えた。
前日は、土砂降りの雨だったが、その日はガラッと変わって、真っ青な快晴に変わっていた。
自然の変化は、驚くほど速く豹変するものだなと、思わず感嘆してしまった。
もう一度、富士山付近を凝視してみても、やはり白い雲がかかり、優麗なその姿ははっきりとは見えなかった。
「何で、富士山のところだけに雲がかかっているのだろうか」と自然の意地悪を恨みながら、来週に備えるためのショッピングに出かけた。
ショッピングセンターには、多くの買い物客が集まり、コロナ禍を忘れさせるほどであった。
一度、家に戻り、昼食を取り、もう一度富士山を仰いでみたが、更に雲が広がって、その姿は崩れる一方であった。
それではと思い、3Fのプロムナードに出て、駅のホームから見えるつつじの花列を覗いてみた。
まだ、咲き始めであったが、疎らに赤紫の花びらが開いていた。
そこから、ホームを覗き込むと、15両編成の総武快速線ホームに電車が止まっており、その中を覗くとほとんど人影が見えないほど『ガラガラ』であった。
黄色い車体の総武緩行線がホームに滑り込んできたが、それも目を疑うほど、『ガラガラ』であった。
そのプロムナードでは、飲み物を手にした男女が楽しそうに、語らっていた。
そこから見る空の色は、どこまでも青く、その中に真っ白な雲が2つ、3つぽっかりと浮かんでいた。
季節は4月の中旬、1年の中でも一番すごしやすく、自然も華やぐ頃であった。
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