12月11日、その日は朝から快晴で、いろんな箇所から富士山が顔を見せていた。
9時少し過ぎに江戸川に出ると、すぐに南下して、行徳橋に向かった。
その日は、珍しく土手の上から富士山とスカイツリーがツーショットで綺麗に見えた。
行徳橋から、旧江戸川を走り、新川から中川、そして荒川に辿り着き、整理された荒川の土手を河口橋に向かって走った。
やや分かりづらい橋の入り口から、かなり勾配がきつい河口橋を上り、そして下った。
下ると、すぐにだだっ広い357号線を横切り、若洲公園に向かった。
若洲大橋辺りからは、もう既に冬だと言うのに、セーリング中のヨットが何隻も水の上を滑っていた様子が見えた。
ゲートブリッジに辿り着くと、エレベーターを8階まで登り、橋の歩道を歩いた。
空は、真っ青に晴れ渡り、一面海に囲まれたその景色は例えようのないほどであった。
歩き始めた頃は、そこから富士山が眺望できたが、10分もすると、雲で囲われてしまった。一瞬の出来事であった。
遥か彼方には、アクアブリッジも視界に入り、若洲公園周辺のセーリングヨットの姿も青い海に白い帆が優雅に映っていた。
そこからは、都心に林立する超高層のビル群が、綺麗なシルエットとなって見えた。ずっと立ち続けるには、寒気を含む強い風が手に当たり、厳しすぎた。
橋を降りて、帰路に着いたが、その日は海沿いの道を使うことにした。とは言っても初めての道だったので、その道がどこへ抜けるか、はたまたどこと繋がっているかは、見当がついている訳ではなかった。ただその道の景色が綺麗であったので、誘われてしまった。
右手に貨物船が浮かぶ海、左手はゴルフコースと思われる広いグリーンが続き、やがて岐路に差し掛かり、海沿いを選んで進んだ。
すると、若洲公園の地球儀のような大きなオブジェが見えてきて、ヨットのハーバーに到着した。
若洲大橋を渡ると、橋の下に道が見えたので、そこを走ってみようと思った。
行き止まりかも知れないと思ったが、とにかくその道に降りた。最初は海っぷちの道が頼りなく続いたが、階段が見えたので、自転車を抱えて上ってみると、ずっと先まで整備された道が続いていた。海と林に囲まれたその走路は、結局夢の島まで、続いていた。357号線に直結していたのだった。
サイクリングをしていると、新たな道や景色に巡り合うが、途中で行き止まりにならない新たな道を見つけるのは、稀なのだが、その日は大成功した。
しかも景色が良く、信号はないし、道も整備されていた。大収穫であった。その日はそのまま気分が高揚しながら、往路と同じ道を通って帰宅した。午後2時頃になっていた。
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