岸田氏は、覇権主義的な行動を強める中国を念頭に「我が国は国際的価値観の対立の最前線にある。台湾海峡の安定や香港・ウイグルの問題に毅然と対応し、民主主義など普遍的な価値を守り抜く」としている。その上で、日米同盟を基軸に「自由で開かれたインド太平洋」の実現を目指すとともに、人権問題担当の総理大臣補佐官を新設する考えで、補佐官の人選、また何を打ち出すのかが焦点となる。日韓関係では徴用を巡る問題で、韓国の裁判所が日本企業の資産の売却を認める決定を出したことについて、岸田氏は「国際法を順守すべきで、ボールは韓国側にある」という考え。今後、具体的にどう対応するのか注目される。

2021/10/02　NHK総合・東京[国際報道２０２１]

強固な日米同盟を確認した日米首脳会談。対ロシア外交についてはシビアな意見が交わされ、会談も後半にさしかかったところで、オバマ大統領が「ウクライナ情勢の区切りがつくまでは、プーチン大統領の訪日を慎重にしてほしい」と釘を刺した。安倍総理は、安全保障上の観点から、ロシアとの平和条約締結が必要でありプーチン大統領の年内訪日を実現させる考えをオバマ大統領に伝えた。これに対してオバマ大統領は、日露の対話には賛成したものの、タイミングについては慎重な検討を求め、同席していたバイデン副大統領らは安倍総理のこの言及に驚いたという。

2015/06/03　ＮＨＫ総合[時論公論]