【あの一言】
コロナ禍の憲法
解説委員・曽我英弘 日本は、これまでロックダウンのような強い強制力を用いる欧米諸国とも、個人の行動や情報を国家が厳しく監視する中国とも異なるやり方で国民に協力を求めてきた。ただ、憲法には個人の自由や権利をどこまで制約するのか限界はどこなのか明確な規定はない。それだけにコロナ禍の今こそ議論をいっそう深めることが重要。同時に、個人の尊重という憲法の理念を忘れず、他者への寛容さを失わない社会をいかに実現していくのか。その両立こそが政治の責務であり、ことしの衆議院選挙でも問われることになる。
2021/05/03 NHK総合・東京[時論公論]
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