アイルランドはデータセンターとしてオラクルなどの欧州の巨大IT企業の中心的な役割を果たしているが、7月23日の公式発表によると、そこでの電力消費量が市街地の一般家庭での全電力消費量よりも多くなっているという。
アイルランド国立統計局によると、2023年のアイルランドの全電気消費の21.1%がデータセンターにより消費されている。ちなみに、2015年には5%、2022年には18%となっていた。
2023年になって初めて、全データセンターの電力消費量(21.1%)が市街地の一般家庭の割合(2022年には19%、2023年には18%)を超えた。...
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アイルランドはデータセンターとしてオラクルなどの欧州の巨大IT企業の中心的な役割を果たしているが、7月23日の公式発表によると、そこでの電力消費量が市街地の一般家庭での全電力消費量よりも多くなっているという。
アイルランド国立統計局によると、2023年のアイルランドの全電気消費の21.1%がデータセンターにより消費されている。ちなみに、2015年には5%、2022年には18%となっていた。
2023年になって初めて、全データセンターの電力消費量(21.1%)が市街地の一般家庭の割合(2022年には19%、2023年には18%)を超えた。一方、農村部での一般家庭での電力消費割合は。10%となっている。今回のデータセンターの電力量消費統計データの開示により、アイルランドでのデータセンターのエネルギー消費量に関して、今更ながら論議を呼びそうである。
すなわち、企業や個人による膨大なデータの保管のために膨大な電力量が、一般家庭への電力供給不足などの悪影響を及ぼさないかが危惧されている。とりわけ、データセンターでは、AIソフトウエアの活用展開により電力消費がさらに加速される傾向にある。
なお、今年、アイルランド公共電力供給オペレーター会社、EirGrid社は、10年以内に電力供給の窮地に立たされることになると予測している。すなわち、電力の大口使用企業の電力需要とデータセンターの増加によって近い将来に電力不足が危惧されている。
今年1月の国際エネルギー機間(IEA)による報告書によると、2028年までにデータセンターがア、イルランドの電力生産量の30%を消費すると予想している。巨大IT企業のグーグル、メタ、アマゾンおよびティックトックが、すでに80箇所以上のデータセンターをアイルランドに設置しており、新たなデータセンターの拡張も計画されている。
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