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2024年05月04日(土)
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【あの一言】
巨大企業に課税強化!各国が大枠合意
解説委員・櫻井玲子
国際課税の交渉はこれまで10年近く続いてきたが、各国の利害が対立し長い間、難航してきた。ここにきて、130もの国と地域が抜本的な税制改革に賛同したのは、それだけ巨大企業に富が偏在していることへの危機感があった。さらに新型コロナウイルスの感染拡大も交渉を一気に加速させた。特に大きかったのは米国の変化で、多くの巨大企業を抱え、これまで国際課税ルールの改革に乗り気でなかった米国が、バイデン政権になり態度を一変させたことが大きい。バイデン政権はコロナで傷ついた経済を立て直すため、大企業からより多くの税収を得たいと考えている。また、ほかの国々もコロナ禍の中で、むしろ利益を増やしている巨大IT企業から、さらに税収を得たいという考えが強まっている。これまで反対をしてきた米国の気が変わらないうちに国際合意をしたいと思う国も多かった。国際課税のルールでは米国も中国も折り合い、国際協調を実現できたことは大きな成果といえる。OECDの試算では、法人税の最低税率を15%とした場合、世界全体で日本円にして16兆円もの税収が増えることが期待されている。世界全体のGDPの90%以上を占める国々が、抜本的な税制改革で大枠合意できたのは歴史的な合意に向けた大きな前進といえる。
2021/07/09 NHK総合・東京[時論公論]

解説委員・櫻井玲子
これまでのルールは「拠点なければ課税なし」で、海外の国に工場や支店を置いていなければ、その国でどんなに利益をあげようと課税できなかった。これをやめた上で売上高が日本円にしておよそ2兆6000億円・利益率が10%を超える多国籍企業を対象に、拠点があるなしを問わず、サービスを展開している先の国や地域に税金の一部を納めてもらうようにする。米国のIT企業が、日本に支店や工場を置いていなくても、オンラインサービスなどで日本の消費者から高い利益をあげていれば、日本に税収の一部が入ることになる。一方、日本企業については幸か不幸か、売上高、利益ともにその水準に達している会社の数は限られ、当面の影響は限定的だとみられている。ただ、条約発効から7年後には、売上高100億ユーロ(日本円で1兆3000億円)を超える企業に広げることも視野に、見直しをすることも合意されたため、今後の議論に注意をする必要がある。
2021/07/09 NHK総合・東京[時論公論]

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