米調査会社ロジウム・グループが6日に出した報告書によると、2019年の中国の温室効果ガス排出量は先進国全体の排出量を上回った。報告書は、中国の習近平国家主席が「2030年までに温室効果ガス排出量の増加を食い止める」と改めて宣言した気候変動サミットの後に発表された。
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『NBCニュース』によると、報告書は、中国の排出量が過去30年間で3倍以上になったと報告している。現在、中国は世界全体の排出量の27%以上を占めている。世界第2位の排出国である米国は、11%を占めている。インドは世界の排出量の6.6%を占め、6.4%を占めるEUの27カ国を初めて上回った。
中国の習近平国家主席は先月、アメリカのバイデン大統領が主催した気候サミットで、2030年までに中国の排出量の増加を減少させるという公約を改めて表明していた。...
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『NBCニュース』によると、報告書は、中国の排出量が過去30年間で3倍以上になったと報告している。現在、中国は世界全体の排出量の27%以上を占めている。世界第2位の排出国である米国は、11%を占めている。インドは世界の排出量の6.6%を占め、6.4%を占めるEUの27カ国を初めて上回った。
中国の習近平国家主席は先月、アメリカのバイデン大統領が主催した気候サミットで、2030年までに中国の排出量の増加を減少させるという公約を改めて表明していた。また、今世紀半ばまでに排出量を完全にゼロにするという公約を繰り返し、各国が協力して気候危機に立ち向かうことを呼びかけた。
国家主席は、サミットでの短いスピーチの中で、「我々は多国間主義にコミットしなければならない」と述べ、「中国は、米国を含む国際社会と協力して、地球環境ガバナンスを共同で進めていくことを期待している」と述べていた。さらに、中国が今後5年間で石炭火力発電プロジェクトをコントロールし、石炭消費量の増加を制限し、その次の5年間で削減を行うと述べた。
しかし、中国の政府関係者は、依然として石炭発電に大きく依存している経済成長が優先事項であることも強調している。中国は現在も石炭火力発電所の建設を増やしている。例えば、中国開発銀行と中国輸出入銀行は合わせて、2020年だけで4億7,400万ドル(約500億円)相当の中国国外の石炭プロジェクトに資金を提供した。また、中国生態環境省気候変動局の李高局長によると、昨年の中国国内のエネルギー発電量の半分以上を石炭が占めていたという。
米『ワシントン・ポスト』によると、中国とインド、そしてその他の開発途上国は、過去1世紀の間、アメリカやヨーロッパが大量の温室効果ガスを排出しながら経済成長を遂げてきたことを指摘し、開発途上国が工業化を進め、何百万人もの国民が中流階級になる中で、排出量の削減を要求することは不公平であると主張してきた。
しかし、気候変動の影響が深刻化し、パリ協定の目標達成に向けて各国にさらなる努力が求められている中、先進国は中国やインド、そしてその他の途上国を、排出量を制限するグローバルな取り組みの中心的な存在に据えようとしている。排出量削減の対象には、6つの主要なガスと、森林破壊や土地利用による変化が含まれている。
アメリカの気候変動問題担当のジョン・ケリー大統領特使は最近インドを訪問した際、「もし、産業革命以前の平均温度から1.5℃の上昇にとどめるための努力を維持できれば、他の多くの国が選択する際の良いお手本になる」と語り、「もちろん、中国にも参加してもらいたいと思っている。中国は世界のさまざまな地域で石炭産業に資金を提供しており、我々はそれに対処する必要がある」と述べた。
米『ブライトバート』によると、ロジウム・グループの報告書は、中国の温室効果ガス排出量は52ギガトンを記録し、EUと経済協力開発機構(OECD)加盟国37カ国(米国、英国、イスラエル、日本、オーストラリア)の合計値、を約3千6百万トン上回っていたと試算している。中国の排出量の多くは石炭火力発電所によるものであり、現在、中国国内のエネルギー生産の半分以上を石炭火力発電所が担っている。そして、さらに多くの石炭発電所の建設を手掛けている。
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