英国は、新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいるおかげで経済活動が再開し、2021年の経済は予想以上に活性化すると予測されている。2022年も高い成長率が維持される見通しとなっている。
米ニュースサイト
『ブライトバート』によると、5月3日現在、英国では人口の65.7%の人が少なくとも1回目のワクチンを接種している。2回目の接種を終了した人も人口の29.4%を占めている。
英『デイリーメイル』によると、イングランド銀行は今週、英国国民へのワクチン接種が順調に進んでいることにより、コロナウイルスによる不況から予想以上に早く経済が回復していることを発表する予定だと報じている。
イングランド銀行は6日、英国経済の予測を上方修正する予定で、これは予防接種プログラムとロックダウンの緩和が英国の回復を後押ししていることが理由だという。2月に発表された前回の予測では、2020年のGDPが9.8%に落ち込んだ後、2021年は5%、2022年は7.25%の成長になると予測していた。また、一時的な自宅待機期間終了後の失業率は7.8%に達すると予測されていたが、その後、3月の予算でこの制度が延長された。
四半期ごとに英国経済の予測を発表している「EY ITEM Club」のチーフエコノミックアドバイザーであるハワード・アーチャー氏は、「イングランド銀行は、2021年の英国経済のGDP成長率予測を大幅に上方修正する可能性が高いと思われるが、2022年の予想成長率を引き下げ、失業率予測も大幅に引き下げて相殺する可能性がある」と述べている。 「EY ITEM Club」は、2021年の成長率は6.8%まで急上昇し、第二次世界大戦以降で最高の成長率を記録すると予測しており、ピーク時の失業率の予測は5.8%に引き下げている。
専門家によると、イングランド銀行の政策担当者は、金利を0.1%に据え置いたまま、成長見通しを「大幅に」上方修正する見込みだという。今回の金融引き締めにより、経済の重要な指標である国内総生産(GDP)は1月から3月にかけて再び減少すると予測されているが、経済の回復力が高まっていることから、その影響は当初懸念されていたよりもはるかに小さくなると考えられている。
2月のGDPは、1月の2.2%減に続き、0.4%増となったが、英国はその期間ロックダウン措置が取られていた。エコノミストたちは、4月12日に生活必需品以外の店舗や屋外での食事が再開されたことから、第2四半期の経済はすでに好調なスタートを切ったと考えている。
英『スカイニュース』によると、欧州連合(EU)のトップ官僚のミシェル・バルニエ氏は、ブリュッセルの過剰な官僚主義的要求が、EUのワクチン接種プログラムの進行を妨げていたことを認め、英国がワクチン接種の速やかな展開に成功したのは、民間企業と提携して賭けに出ることを厭わなかったからだとコメントしている。
EUの統計によると、EU圏の成人の28.1%が少なくとも1回のワクチン接種を受けているのに対し、英国では約3分の2(65.7%)、がワクチン接種の1回目を終えている。バルニエ氏は、「イギリスは民間企業に資金を提供してリスクを取った。アメリカもリスクを取った。EUはまだリスクの取り方を知らない」と指摘している。
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