ジョー・バイデン大統領(78歳)はこの程、アジア・アフリカ11ヵ国駐在の大使を新たに任命した。しかし、米同盟国の英国・フランス・ドイツ・日本(注後記)の他、最大の敵対国と標榜している中国の大使も未だ任命できていない。
4月15日付
『デイリィ・コーラー』保守系オンラインニュース:「バイデン大統領、9人の新大使を任命するも、重要国の大使は未だ空席」
ジョー・バイデン大統領は4月15日、アジア及びアフリカの11ヵ国駐在の大使として新たに9人を任命した。
しかし、米同盟国である英国、フランス、ドイツ駐在の大使は未だ任命されていない。
更に、新政権にとって一触即発の国となっている中国、メキシコの大使も任命されていない。...
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4月15日付
『デイリィ・コーラー』保守系オンラインニュース:「バイデン大統領、9人の新大使を任命するも、重要国の大使は未だ空席」
ジョー・バイデン大統領は4月15日、アジア及びアフリカの11ヵ国駐在の大使として新たに9人を任命した。
しかし、米同盟国である英国、フランス、ドイツ駐在の大使は未だ任命されていない。
更に、新政権にとって一触即発の国となっている中国、メキシコの大使も任命されていない。
これまでの大統領は、物議を醸す事柄ではあるが、複数の大使ポジションを目立った支持者や裕福な協力者に与えてきている。
『USAトゥデイ』紙報道によると、バイデン政権も、どの国の大使ポジションをこの目的のための候補とするか検討中であるという。
ただ、前政権の対中強硬政策の延長線上で、中国を“目の敵”と見做し、かつ、民主主義国と専制国家とでは、どちらが将来の国際社会をリードすることになるかの戦いだと明言しているバイデン政権にとって、駐中国大使として誰を任命するかは最も注目される事態である。
ホワイトハウスは、空席の大使の任命がいつになるのか、具体的タイミングは依然未定のままだとしている。
なお、これまでの大統領はまた、協力要請の一環で対抗政党に大使ポジションを与えることが多かった。
ビル・クリントン(民主党、現在74歳)、ジョージ・W.・ブッシュ(共和党、同74歳)、バラク・オバマ(民主党、同59歳)は、閣僚級の重要な大使ポジションを反対党に与えてきた。
しかし、ドナルド・トランプ(共和党、同74歳)はこれ程までに妥協することはせず、バイデン大統領も同様とみられている。
ただ、同大統領は、ローマ本拠の国連世界食糧計画(1963年設立、2020年にノーベル平和賞受賞)大使として、故ジョン・マケイン氏(1936~2018年、前アリゾナ州選出共和党上院議員)夫人のシンディ・マケイン氏(66歳、慈善事業家、共和党員)を推挙すると言われている。
<この度任命された大使>
ラリィ・エドワード・アンドレ・ジュニア氏(59歳、前駐ジブチ大使):ソマリア連邦共和国(アフリカ東端、1960年に英国・イタリアより独立)
エリザベス・ムーア・オービン氏(前国務省中近東局次官補代行):アルジェリア民主人民共和国(北アフリカ、1962年にフランスより独立)
スティーブン・C.・ボンディ氏(前中近東局上級顧問):バーレーン王国(西アジア・中東、1971年に英国より独立)
マリア・E.・ブリューワー氏(前駐シエラレオネ大使):レソト王国(アフリカ南部、1966年に英国より独立)
クリストファー・ジョン・ラモーラ氏(前駐ガーナ大使館公使):カメルーン共和国(アフリカ中西部、1960年にフランスより独立)
マイケル・レイノア氏(58歳、前駐エチオピア大使):セネガル共和国(西アフリカ、1960年にフランスより独立)及びギニアビサウ共和国(西アフリカ、1973年にポルトガルより独立)兼務
チュリナボ・S.・マシンギ氏(64歳、前駐セネガル大使兼駐ギニアビサウ大使):アンゴラ共和国(アフリカ南西部、1975年にポルトガルより独立)及びサントメ・プリンシペ民主共和国(アフリカ西岸沖の島国、1975年にポルトガルより独立)兼務
ユージーン・S.・ヤング氏(前駐イスラエル大使館経済参事官):コンゴ共和国(西アフリカ、1960年にフランスより独立)
マーク・エバンス・ナッパー氏(前国務省東アジア・太平洋局日本韓国担当次官補):ベトナム社会主義共和国(東南アジア、1945年にフランスより独立、1976年に南北統一・改称)
(注)駐日本米国大使:トランプ政権時代に任命されていたビル・ハガティ大使(61歳)が、2020年秋の上院議員選挙に立候補するため2019年7月退任(当選して、目下テネシー州選出上院議員)。トランプ政権は、後任として保守系シンクタンクのハドソン研究所(1961年設立)のケネス・ワインスタイン所長(59歳)を推挙したが、上院での承認決議がなされないまま政権交代となったため、同推挙は無効となり、現在も空席のまま。なお、ハガティ氏退任後、新大使着任までの間、ジョセフ・ヤング首席公使(56歳)が臨時代理大使に就任。
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