3月7日付
『ロイター通信』:「中国、景気回復を受けて1~2月鉄鉱石輸入量が+2.8%」
中国の税関総署が3月7日にリリースした統計データによると、中国の今年1~2月の鉄鉱石輸入量が昨年同期比+2.8%増加したという。
そして、鉄鋼製品輸出量が1,014万トンと昨年同期比+30%も増え、また、鉄鋼製品輸入量も240万トンと同じく+17.4%増加している。...
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3月7日付
『ロイター通信』:「中国、景気回復を受けて1~2月鉄鉱石輸入量が+2.8%」
中国の税関総署が3月7日にリリースした統計データによると、中国の今年1~2月の鉄鉱石輸入量が昨年同期比+2.8%増加したという。
そして、鉄鋼製品輸出量が1,014万トンと昨年同期比+30%も増え、また、鉄鋼製品輸入量も240万トンと同じく+17.4%増加している。
これは、COVID-19問題からの回復が著しく、中国鉄鋼業界の粗鋼生産及び鉄鋼製品生産量が増加しているためと考えられる。
同データによると、1~2月の鉄鉱石輸入量が1億8,150万トンと、昨年同期の1億7,660万トンより490万トン増えている。
ただ、専門家によれば、中国の2大鉄鉱石輸入元のオーストラリア、ブラジルの船積み量が着実に増えていたので、予想の範囲内だという。
リフィニティブ(2018年設立の英国のデータ収集会社)の本船追跡データによると、両国からの1~2月の鉄鉱石搬送量は1億6,400万トンと+11%増となっている。
中国鉄鋼業協会(1999年設立の国営NPO)によると、中国鉄鋼業界の粗鋼生産量は若干増えることが予想されるという。
しかし、中国の産業当局は、習近平国家主席(シー・チンピン、67歳)が掲げた2060年カーボンニュートラル達成目標に基づき、二酸化炭素等温室効果ガス発生量の多い粗鋼生産工程を見直す一環から、今年の粗鋼生産量を削減するよう何度も通達している。
香港の金瑞資本投資有限公司(ヂィンルイ・キャピタル、2015年設立)アナリスト卓桂秋氏(ズオ・グイチウ)は、“今のところ、中国の粗鋼生産削減措置が講じられるのかどうか不明だが、もしそうなれば、原料となる鉄スクラップ・鉄鉱石需要量も減退しよう”とコメントした。
なお、中国当局は、昨年策定された中国の新規国家基準に基づき、高品質に限っての鉄スクラップの輸入は認可している。
(参考)中国の2020年鉄鉱石輸入量は9億9,400万トン(オーストラリア7億1,300万トン、ブラジル2億3,600万トン、インド4,500万トン)、粗鋼生産量は10億5,000万トン(過去最多)。一方、日本の鉄鉱石輸入量は1億トンで、粗鋼生産量は8,300万トン。
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