国連環境計画(UNEP)が発表した報告書によると、世界の食料生産の17%が廃棄されており、その半分以上は家庭から出るゴミだという。また、地域的にみると、食品の廃棄は富裕国だけでなく、所得レベルに関係なくあらゆる国で共通に起きているという。
3月4日付仏
『フランス24』(AFP通信)は「国連:消費者購入食品のうち約5分の1が廃棄されている」との見出しで以下のように報道している。
国連の報告書によると、2019年食品生産の17%、約10億トンが家庭や、小売り・サービス業で廃棄されており、予測以上の割合となったという。廃棄物・資源行動プログラム(WRAP)は「環境や社会的、経済的にも損出が大きく深刻な問題」だとしている。
国連統計によると、約7億人が十分な食料を得られていないが、廃棄食品を40トンのコンテナトラックに換算すると地球を7周する距離となる。...
全部読む
3月4日付仏
『フランス24』(AFP通信)は「国連:消費者購入食品のうち約5分の1が廃棄されている」との見出しで以下のように報道している。
国連の報告書によると、2019年食品生産の17%、約10億トンが家庭や、小売り・サービス業で廃棄されており、予測以上の割合となったという。廃棄物・資源行動プログラム(WRAP)は「環境や社会的、経済的にも損出が大きく深刻な問題」だとしている。
国連統計によると、約7億人が十分な食料を得られていないが、廃棄食品を40トンのコンテナトラックに換算すると地球を7周する距離となる。また、国連の持続可能なフードシステムプログラム(SFSP)の専門家は、「現在まで、食品ロスは富裕国の問題とされてきたが、同報告書では食品ロス、家庭内の食品廃棄はすべての国におきている世界的な問題だ」とする。
消費者向けの食品で、一年間に一人当たりの廃棄量は121キロ、そのうち半量以上の74キロは家庭ごみとして廃棄されているという。報告書は、世界の人口の4分の3にあたる貧困国、中間国、富裕国を含む54カ国を網羅し十分なデータをもって調査したもの。今回のように生産、保管、分配過程の食品ロスではなく、消費者レベルに注目した調査は初めて。食料廃棄指数は、国別の測定基準として設けられているもので、地球温暖化防止にもつながるもの。
食品ロスを一国とみなすとしたら、この国は世界第三位の温室効果ガスの発生源となる。気候変動を改善するには、食品システムの廃棄問題の改善も必要となる。
廃棄を回避する努力は広がってはいるが、未使用のバイオ(生物学的)廃棄物をどう処理するかの問題は未解決。
バイオ(生物学的)廃棄物を埋め立てる以外に、消費可能な間に寄付する、飼料に加工する、有機分解する、バイオガス製造など多くの代替方法はある。南アフリカ等で既に産業として採用されている技術の一つが、アメリカミズアブの幼虫で(生ゴミを分解し)高タンパクな家畜飼料を作ることで、オランダやデンマークなど多くの先進国で成功例があるという。
イギリスでは、12年で家庭内の食品廃棄が31%減少したという。食品廃棄問題は、今年9月か10月に開催される国連世界食糧システムサミットで提案される。サミットでは新たな画期的施策が打ち出される予定だという。国連のサステイナブル開発目標の一つには、小売りと消費者レベルでの一人当たりの食品廃棄を2030年までに半減するというものがある。
同日付ロシア『RT』は「国連:世界で約5分の1の食品が廃棄される」との見出しで以下のように報道している。
国連環境計画(UNEP)の新たな報告書によると、消費者向けに製造される食品のほぼ5分の1が廃棄されており、そのうちの殆どの廃棄分(61%)が家庭向けの食品だという。
木曜国連が世界食品廃棄指数を発表。2019年に製造された食品の17%、9億3100万トンが廃棄されていたという。この数量には製造過程で消費者に届けられる前段階の食品は含んでいない。UNEP の会長は、食品の廃棄を減らすことは温室効果ガス排出の削減にも繋がる。自然破壊を遅らせ、世界的不況時に食品供給を増やすことになるとしている。
2019年飢餓に苦しむ人は6億9000万人、30億人が健康的な食事を得られる状態にない。その一方で、国の所得レベルに関わらず、ほぼすべての国で食品が廃棄されていることが分かった。
食品廃棄分の殆どは家庭ごみからきている。サプライチェーンから流通した消費できる段階にある食品の廃棄率は11%の一方、食品サービスでの廃棄率は5%、小売りでは2%の廃棄率となっている。データは小売業、レストラン、家庭ごみ、そして肉の骨や貝殻も含んでいる。
閉じる