中国国営メディアの新華社通信は最近、ニューヨークの観光名所として知られるタイムズスクエアの広告スクリーンに、中国が新型コロナウイルスとの戦いで積極的に動いているという旨の内容の広告を流し始めた。
米ニュースサイト
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』は、アメリカでは中国政府の政治活動団としても見なされている国営メディア新華社通信が、ニューヨークの観光名所タイムズスクエアの広告スクリーンに、中国政府による新型コロナウイルス対策に関する宣伝を流していると報じている。
「シャーウッド・アウトドア」が所有し、リースしているこの広告スクリーンは、通常、中国製品や中国旅行の宣伝を流している。しかし最近、新型コロナウイルスに対する戦いにおける中国政府の努力について宣伝されるようになった。新型コロナウイルスの回復率が48.52%であること、また、いくつかのクルーズ船が衛生検査に合格したなどの宣伝が流されている。
さらには、「中国は80を超える国と地域を支援してきた。」というメッセージや、中国が「これからも国際社会と手を携えてウイルスと戦い続けていく。」というメッセージが流されるようになった。
米ニュース専門放送局『フォックスニュース』によると、広告スクリーンには、支援した国または協力国としてイタリア、韓国、日本などの写真が流されているという。
フォックスニュースは、世界保健機関(WHO)が武漢に派遣した調査団に対し、中国政府が患者の生データを提出することを拒否する一方で、アメリカで新型コロナウイルス対策の為に団結と協力のメッセージを宣伝していることには違和感があると報じている。
米政府国家安全保障顧問のジェイク・サリバン氏は、WHOによる中国での調査で、「初期調査結果がどのように伝えられたのか、また、結論に到達するために取られたプロセスに深い懸念を抱いている」と述べ、「WHOの報告書は独立したものである必要があり、中国政府の介入や改ざんのない、専門家による調査結果であることが不可欠である」と指摘している。
新華社通信はこのタイムズスクエアの広告スクリーンを2011年からリース契約しており、その契約期間は明らかにされていない。
閉じる