医療従事者の頭脳流出で特に大きな痛手を受けているアフリカ諸国は、エジプト、ナイジェリア、ガーナおよび南アフリカという。
コビッド19感染流行が始まった2020年にエジプトから国外に流出した医師の人数は、エジプトの新聞によると1.5万人以上を数え、そのうち、8600人は米国が世界中の医師に入国ビザ志願者を募った後の3月から5月に集中している。
エジプト厚生省のデータでは、登録されている21.3万人の医師のうち、ほんの8.2万人がエジプト国内の医療機関で働いているという差し迫った状況となっている。...
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医療従事者の頭脳流出で特に大きな痛手を受けているアフリカ諸国は、エジプト、ナイジェリア、ガーナおよび南アフリカという。
コビッド19感染流行が始まった2020年にエジプトから国外に流出した医師の人数は、エジプトの新聞によると1.5万人以上を数え、そのうち、8600人は米国が世界中の医師に入国ビザ志願者を募った後の3月から5月に集中している。
エジプト厚生省のデータでは、登録されている21.3万人の医師のうち、ほんの8.2万人がエジプト国内の医療機関で働いているという差し迫った状況となっている。さらにこのうちの大部分がカイロ首都圏に集中しており、地方の医師数はかなり不足しているという。
医師の給与の違いはエジプト国内と外国では歴然としており、例えばサウジアラビアで1年間一般医として働くと、エジプトで30年間働いたのと同じ給与を受け取ることができるという。
エジプトで1年当たり7000人の医師を輩出いるにも拘らず、医師の海外流出が続いており、国家投資の重大な損失となっている。 当然のことながら、エジプトでは人口1000人当たりの医師の数は年々減少している。
ナイジェリアやガーナでも医療従事者の頭脳流出が続いており、医師の半分以上が英国、米国、南アフリカおよびアラブ首長国連邦(UAE)で働いているという。特にナイジェリは1.90億人以上の人口を抱えるアフリカ最大の人口を持つ国でありながら国内には3.5万人の医師しか残っていないため危機的な状況にある。
アフリカ諸国からの医療従事者流出は、彼らを誘致する欧米諸国側の問題が大きいと考えられる。WHOが中心となってアフリカの医療従事者流出を防止する何らかの方策が必要と考えられる。
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