カナダのビル・ブレア公安相は議会特別委員会で25日、中国は合成オピオイドであるフェンタニルの主な供給源の一つであり、カナダ国内での過剰摂取の問題において重要な役割を果たしていると語った。
カナダ日刊紙
『ナショナル・ポスト』によると、ブレア公安相は冒頭の演説で、カナダにおける中国の対外干渉の試みが増えていることや、現在のオピオイド危機における中国の役割について繰り返し警告を発した。
「外国からの干渉は最重要課題の一つですが、それが唯一の問題ではありません。中国がフェンタニルだけでなく、この非常に強力で致死性の高い合成オピオイドを作るために使用される前駆体化学物質の主要な供給国の一つであることは周知の事実です。...
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カナダ日刊紙
『ナショナル・ポスト』によると、ブレア公安相は冒頭の演説で、カナダにおける中国の対外干渉の試みが増えていることや、現在のオピオイド危機における中国の役割について繰り返し警告を発した。
「外国からの干渉は最重要課題の一つですが、それが唯一の問題ではありません。中国がフェンタニルだけでなく、この非常に強力で致死性の高い合成オピオイドを作るために使用される前駆体化学物質の主要な供給国の一つであることは周知の事実です。」と述べ「過去4年間で カナダ国境サービス庁は335件の押収を行い 合計42. 2キログラム以上を押収しました。そのうち129件は 中国を供給国としています。」と説明した。
米『エポックタイムズ』によると、ブレア公安相は、カナダ・中国関係常任委員会の前で、諜報機関トップや安全保障関係者とともに、中国政権によるカナダへの対外干渉や潜入が増加していることについて証言し、その一つがフェンタニルの密輸であることを問題視した。
カナダ政府の統計によると、2016年1月から2020年6月までの間に、17,000人以上のカナダ人がオピオイドの過剰摂取で死亡した。2020年1月から2020年6月までの間に、死亡者の75%はフェンタニルが関係していた。
ブレア公安相は、カナダ連邦警察(RCMP)がカナダ国境サービス庁(CBSA)およびカナダ郵便と共に「組織犯罪共同対策センター」を設立し、国内への麻薬の流入を追跡し阻止するための措置を講じていると述べた。
中国からのフェンタニル流入は、カナダだけでなく米国でも深刻な被害をもたらしている。
香港メディア『アジアタイムズ』は昨年12月の記事で、2017年には、米国で28,000人がフェンタニルの過剰摂取で死亡しており、そのほとんどが中国から流入したものであったと伝えている。
中国の習近平国家主席は2018年に、当時のトランプ大統領との会談で、すべてのフェンタニル様物質を制限することを約束した。 トランプはこれを「大変革をもたらす(ゲームチェンジャー)」と宣言したが、その後もオピオイドの流入が止まることはなかった。
2019年には、37,000人を超えるアメリカ人がフェンタニルの過剰摂取で死亡した。状況は新型コロナウイルスによるロックダウン措置のために悪化しており、ジョージア州では、フェンタニルによる死亡は2020年3月以降60%増加した。そして死亡者の約半数は若者となっている。
同メディアは、国家主席の一声で法律を作り、監視カメラであらゆる人を確実に取り締まることの出来る中国が、フェンタニル製造者や密輸人に手を出さないのは、敵を弱体化させかつ稼ぐことができるというメリットがあるからだろうと伝えている。
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