ヨーロッパのスキーリゾート地にとって一番の稼ぎ時となるクリスマスシーズン。しかし、ドイツは新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために、1月10日までの間、ヨーロッパ各地のスキー場の閉鎖を発表した。フランスやイタリアも同様の方針を表明している。一方オーストリアとスイスは、観光産業にとって最も重要なクリスマス休暇の営業を犠牲にすることを拒否している。
『フランスアンフォ』によると、クリスマスシーズンのスキー場を閉鎖するかどうかについて、欧州全体、加盟国の内外を問わず、議論が高まっており、緊張を煽っているという。
トップレベルのスキー場を持つ、フランス、イタリアやドイツは、今年は新型コロナウイルス第二波に対応するために、スキー場の閉鎖、または少なくともスキーリフトの閉鎖の方針を打ち出している。
1日の死者が400人以上に達したドイツに至っては、欧州連合全体でスキーリゾート地を1月10日まで営業禁止とすることを推奨するよう欧州委員会に正式に要請する予定だ。...
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『フランスアンフォ』によると、クリスマスシーズンのスキー場を閉鎖するかどうかについて、欧州全体、加盟国の内外を問わず、議論が高まっており、緊張を煽っているという。
トップレベルのスキー場を持つ、フランス、イタリアやドイツは、今年は新型コロナウイルス第二波に対応するために、スキー場の閉鎖、または少なくともスキーリフトの閉鎖の方針を打ち出している。
1日の死者が400人以上に達したドイツに至っては、欧州連合全体でスキーリゾート地を1月10日まで営業禁止とすることを推奨するよう欧州委員会に正式に要請する予定だ。
イタリアでも、ジュゼッペ・コンテ首相が10月にスキー場の閉鎖を発表していた。規制のない雪のリゾート地で休日を迎えるのは無責任であると説明している。しかし、スキー業界の関係者らは営業再開を要求しており、ケーブルカーを半数に減らし、スキーができる人数も地域ごとに限定するなど、厳格な感染対策を取ると訴えている。スキー業界は、正式な決定が下される12月4日までに話し合いが進むことを望んでいるという。
一方12月上旬に外出制限を解除する予定のオーストリアは、スキー場の営業停止に対し反対を表明している。山岳業界は国内で10万人以上を直接または間接雇用しており、冬のリゾート地の閉鎖は20億ユーロ(約2500億円)以上の損失を意味する。財務大臣は、スキー場の営業停止があるとしたならば、欧州委員会がそのツケを払わなければならないと訴えている。
スイスでは、現在もスキー場は営業しており、行列、スキーリフト、スキーレッスン、ショップなどでマスク着用が義務付けられている。ゲレンデで滑っている時のみマスクを外すことができる。客層の3分の1を占める外国人の減少を補うために、国内の新規客層を掘り起こそうとするキャンペーンも繰り広げられている。
『レゼコー』は、スイスは欧州連合に属していないものの、衛生問題では協力して取り組んできているが、スキー場に関してはクリスマスシーズン中の開催を決定しているという。ヴァレー州議会のクリストフ ・ ダルベレー議長は、「閉鎖は選択肢に入らない。スキーリゾート地では食事もスキーもできる」として、クリスマス休暇中、外国人観光客にも開放されるだろうと述べている。
スペインでも外出制限が解除され次第、スキー場は営業する予定となっている。スペインでは、スキーは自転車やマラソンと同様に、屋外スポーツとして認識されているため、スポーツ施設に課せられる規制の対象に含まれていない。
スキーリゾート地の営業に対して足並みがそろわない中、フランス、ドイツ、イタリアは不公平な競争となることに苛立ちを見せている。ドイツやベルギーは「スキーシーズンの海外旅行も含めて」クリスマス休暇中は、不要不急の移動を避けるように国民に呼びかけ、オーストリアから帰国する際は、10日間の自主隔離の対象にもなることを伝えている。
フランスはこの段階では、国境外のリゾート地を目指すことを禁止することは排除しているが、イタリアでは、スイスのリゾート地の競争に直面していることに対して議論が起こり始めている。
それでも可能な限り各国間で調整をしていくために、今後数日間、議論が激化することが予想される。
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