既報どおり、世界の多くの首脳がジョー・バイデン民主党候補(77歳)の当選を祝福しているが、ドナルド・トランプ大統領(74歳)の盟友とされる、ロシア、ブラジル、北朝鮮等の首脳は事態を静観するばかりである。そうした中、ウラジーミル・プーチン大統領(68歳)が改めて、米国内の法的手続きが決着するか、あるいはどちらか一方が敗北宣言をしない限り、次期大統領と認めることはしないと断言した。
11月22日付米
『ニューヨーク・ポスト』紙(
『ロイター通信』配信):「プーチン大統領、米大統領選が最終決着する前にバイデン氏の当選を祝福する意向はないと断言」
ウラジーミル・プーチン大統領は11月22日、先の米大統領選に関し、米国内の法的手続き一切が終了するか、あるいはどちらか一方が敗北宣言をしない限り、次期大統領として認めることはないと表明した。
同大統領はロシア国営テレビのインタビューに答えて、“ロシアは、誰が大統領となっても米ロ間関係を継続していく”とした上で、“但し、一方の政党が他方の勝利を認めるか、あるいは米国内の法的手続き一切が終了して勝利者が確定するまで、いずれの候補者にも祝意を述べるつもりはない”と断言した。...
全部読む
11月22日付米
『ニューヨーク・ポスト』紙(
『ロイター通信』配信):「プーチン大統領、米大統領選が最終決着する前にバイデン氏の当選を祝福する意向はないと断言」
ウラジーミル・プーチン大統領は11月22日、先の米大統領選に関し、米国内の法的手続き一切が終了するか、あるいはどちらか一方が敗北宣言をしない限り、次期大統領として認めることはないと表明した。
同大統領はロシア国営テレビのインタビューに答えて、“ロシアは、誰が大統領となっても米ロ間関係を継続していく”とした上で、“但し、一方の政党が他方の勝利を認めるか、あるいは米国内の法的手続き一切が終了して勝利者が確定するまで、いずれの候補者にも祝意を述べるつもりはない”と断言した。
同大統領は、依然ジョー・バイデン氏の勝利を祝福していない十数ヵ国の首脳のひとりとなっている。
同日付英国『ザ・サン』紙:「プーチン大統領、トランプ氏が敗北を認めておらず、また“合法的”な手続きが完了していないので、バイデン氏を次期大統領と呼べないと表明」
プーチン大統領は、他の多くの首脳がバイデン氏の当選を祝福しているのに、また、トランプ氏が起こした訴訟が悉く退けられているにも拘らず、事態が最終決着するまでバイデン氏に祝意を述べる意向はないと断言している。
米『ブルームバーグ』によると、プーチン大統領のこの決意は、“正規の手続き”的な話であり、そこに何ら隠された意図はないとしている。
同大統領は、ロシア国営メディアの質問に答えて、“大統領選当選者への祝福が遅れたからと言って、米ロ関係が毀損されることはない。何故なら、両国関係はとっくに損壊しているから”だとも強調した。
この大統領のコメントの背景には、直前にバラク・オバマ前大統領(59歳、2009~2017年執務の第44代大統領)が出版した回顧録「約束された土地(プロミスト・ランド、注後記)」がある。
すなわち、オバマ氏は同回顧録の中で、2009年に行われた同氏・プーチン大統領との会談について、プーチン大統領を不快にさせる次のような内容を述べていたからである。
・朝食を取りながらの会談の席上、プーチン大統領は、米国について“45分もの間怒声で以て”非難し続けた。
・同大統領は、米国から受けたロシア人の苦痛について、ひとつひとつ不当に扱われたとされる事態を上げて“長々と”責め続けた。
・一例を挙げると、同大統領はジョージ・W.・ブッシュ大統領(74歳、2001~2009年執務の第43代大統領)と盟友関係にあり、2001年の9.11同時多発テロ発生の際には、宿敵とされたサダム・フセイン(1937~2006年、イラク元大統領)の扱いについて協力もすると申し出たにも拘らず、“ブッシュ大統領はイラク侵攻をして、中東情勢をめちゃくちゃにしてしまった”と非難した。
・オバマ氏の随行員が、30分程でプーチン大統領の暴言を止めさせるべく割って入ろうとしたが、オバマ氏はそれを止めた。
・その代わり、オバマ氏はプーチン大統領に言いたいだけ述べさせた上で、そのひとつひとつに説明やコメントをしたので、当該会談は都合2時間に及んだ。
(注)プロミスト・ランド:オバマ氏が11月17に発刊した回顧録で、同氏にとって4冊目の著書。発売当日の米国・カナダでの売り上げが89万部近くに及び、これはこれまで記録となっていたビル・クリントン氏の「マイ・ライフ」(発売初日の売り上げ約40万部)及びジョージ・W.・ブッシュ氏の「ディシジョン・ポイント」(同約22万部)を大きく上回っており、大統領回顧録として史上最大のベストセラーになると見込まれている。
閉じる