米カリフォルニア州は、米食品医薬品局(FDA)が承認したワクチンを供給前に、安全性や供給計画について、州の専門家パネルで独自に審査すると発表。大統領選の結果に関わらずに行うという。また、年内に州民に広くワクチンを提供できる可能性は低いとしている。ニューヨーク州も州独自の審査を実施する。
10月20日付
『ロイター通信』は「カリフォルニアでコロナワクチンを独自審査へ」との見出しで以下のように報道している。
記者会見でカリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は、FDAが承認した新型コロナウィルスのワクチンの安全性と最初の供給計画について独自に審査するとした。11人からなる疫学、生物統計学、感染病の専門家委員会により、大統領選挙の結果如何にかかわらず審査を行うとしている。
トランプ大統領が公約している通り、政府は大統領選挙日の11月3日以前の承認をめざしワクチン承認をスピードアップしている。...
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10月20日付
『ロイター通信』は「カリフォルニアでコロナワクチンを独自審査へ」との見出しで以下のように報道している。
記者会見でカリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は、FDAが承認した新型コロナウィルスのワクチンの安全性と最初の供給計画について独自に審査するとした。11人からなる疫学、生物統計学、感染病の専門家委員会により、大統領選挙の結果如何にかかわらず審査を行うとしている。
トランプ大統領が公約している通り、政府は大統領選挙日の11月3日以前の承認をめざしワクチン承認をスピードアップしている。一方、規制プロセスへの政治的影響により安全性を軽視しかねないとの懸念が広がる。FDAは承認により安全性を保障するとしている。
最も楽観的な見通しでも、ワクチンは来年まで一般市民には行きわたらない予定。ニューサム知事は、「年内にワクチンが近くの薬局でいつでも手に入るようになる訳ではない。」としている。ワクチンは医療従事者や救助隊員へ優先的に供給される予定。
先月、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事も、ニューヨークで同様の政府承認ワクチンの審査を行う意向であることを発表している。
10月19日付米国『ロサンゼルス・タイムズ』は「カリフォルニア州でFDA承認COVID-19ワクチンを一般供給前に検証するとニューサム知事」との見出しで以下のように報道している。
カリフォルニア州は、FDAが承認したコロナワクチンを一般に供給される前に、その安全性を独自に検証するという。政府がプロセスを急ぐ懸念から、安全性を担保するため、専門家による新たな委員会を設置。
他のパンデミック対応同様、ワクチンも増々政治的影響を受けつつある。数か月間大統領はワクチン開発のスピードアップを促し、タイムラインに関し公衆衛生当局との衝突に繋がった。世論調査ではコロナワクチンへの信頼性が低下している。
9月にはニューヨークのクオモ知事が承認ワクチンを検証する専門家タスクフォース設置を発表。
数日前には、ファウチ医師がFDA承認ワクチンの安全性に「強い確信がある」と発言した後での今回の発表は、ワクチンの信頼性により不確実性を与えている。知事のワクチンへの姿勢は一貫している。
元々ワクチン全般に疑念を持つ人は、この安全性を確実にする動きにより、一層コロナワクチンの危険性に疑いを持つようになるだろう。しかし、それ以外のカリフォルニア州住民はワクチンを信用しつつも、トランプ政権に不信感を持つ。州による承認を行うことは、ワクチン接種を促す事に繋がるであろう。
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