元ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグは、重罪判決を受けたフロリダ州の黒人やヒスパニック系の有権者約3万2千人の裁判での罰金や費用を返済するために1,600万ドル(約16億円)以上の資金を集めた。民主党大統領候補のジョー・バイデン氏への投票率を高めることを目的としている。
『ワシントンポスト』によると、今回集められた資金は、「フロリダ権利回復連合(Florida Rights Restoration Coalition)」の支援プログラムに提供される。選挙権を回復するためには裁判所に対する負債を完済しなければならないフロリダ州で、元受刑者の未払いの罰金、裁判費用、賠償金の支払いを支援しているプログラムだ。
ブルームバーグ氏は、バイデン氏がフロリダ州で選出されるために少なくとも1億ドル(約100億円)の寄付を約束しているが、これとは別に、個人や財団から寄付金を集めた。...
全部読む
『ワシントンポスト』によると、今回集められた資金は、「フロリダ権利回復連合(Florida Rights Restoration Coalition)」の支援プログラムに提供される。選挙権を回復するためには裁判所に対する負債を完済しなければならないフロリダ州で、元受刑者の未払いの罰金、裁判費用、賠償金の支払いを支援しているプログラムだ。
ブルームバーグ氏は、バイデン氏がフロリダ州で選出されるために少なくとも1億ドル(約100億円)の寄付を約束しているが、これとは別に、個人や財団から寄付金を集めた。民主党の票を増やすためには、すでに投票権を持っている有権者を説得するために資金を投入するよりも、今回のような寄付の方が、費用対効果が高いと考えたからだ。
なお今回の寄付は、借金が1500ドル(約16万円)以下の黒人やヒスパニック系の有権者のみを対象としている。フロリダの黒人有権者の民主党支持率は90%~95%と高い傾向があるなど、バイデン候補に投票する可能性の高い元受刑者らのグループを選択している。
『レゼコー』によると、今回の寄付には、元バスケットボール選手のマイケル・ジョーダン、キューバ系アメリカ人歌手のカミラ・カベロ、スティーブン・スピルバーグ監督、ケイト・キャップショー夫人など、全米で4万4千人以上が参加している。
また、ワーナーミュージック、リーバイ・ストラウス、MTV、コメディ・セントラル、NBAのオーランド・マジックやマイアミ・ヒートなどの企業や団体も参加している。
『ロシアトゥデイ』によると、フロリダ州の司法長官は、マイケル・ブルームバーグが元受刑者の投票資格を回復させるために資金集めをしたことは、選挙法違反の可能性があるとして、FBIと州の法執行機関に調査を要請した。
また今回の資金調達は、下院司法委員会の委員であるフロリダ州のマット・ゲーツ下院議員など、一部の共和党議員からも疑惑の目が向けられている。
ゲーツ下院議員は、「誰かが投票するかどうかに影響を与えるために 直接または間接的に何か価値あるものを 提供するのは第三級の犯罪だ」とし、「問題は誰かの罰金や法的義務の支払いが 価値あるものとして見なされるかどうかであり」、今回は「明らかに価値あるものとして見なされる」と主張している。
フロリダ州の選挙法には、「有権者登録の対価として現金で換金可能な価値あるものを誰かに贈与した者は、第三級の犯罪にあたる」との文言があるが、元受刑者の裁判上の借金に対する支払いにどのように適用されるのかは不明である。
閉じる